定款とは何か

定款とは、会社の基本的なルールや組織構造、事業の目的などを定めた文書で、株式会社を設立する際に必ず作成する必要があります。定款を作成し、公証人の認証を受けたうえで登記することで、法人格が与えられ、会社として法的に認められます。

  • 定款は単なる「書類」ではなく、将来のトラブル防止や会社の方向性を示す「羅針盤」。

  • いい加減に作ると、将来的に融資・出資・事業提携などの際に問題になることもあります。

  • 起業前に、何を事業の柱とし、どんな組織を作るかをじっくり考える機会として、定款の作成はとても重要です。

●定款の3つの記載事項

定款には「何を必ず書かなければならないか」に応じて、次の3つの記載区分があります。

    1. 絶対的記載事項(必ず記載しないと定款が無効になる事項)
      これらは、定款に必ず記載しなければならない項目です。記載がなければ定款自体が無効になる可能性があります。
      • 目的:会社が行う事業内容(例:Web制作、飲食業など)
      • 商号:会社の名前
      • 本店の所在地:本社の住所(番地までは不要で「東京都港区」などでもOK)
      • 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額:出資の金額(資本金)
      • 発起人の氏名または名称および住所:会社設立時に出資を行う人(発起人)の情報
    2. 相対的記載事項(記載すれば効力が発生する事項)
      記載がなくても定款は有効ですが、記載することで法律上の効力が生じる事項です。
      • 現物出資:お金以外の資産(車、土地、知的財産など)を出資する場合
      • 発起人の報酬:設立時に発起人が報酬を受ける場合
      • 設立費用の会社負担:定款認証費用や登記費用などを会社が負担する場合
      • 種類株式の発行:異なる権利(議決権の有無など)を持つ株式を発行する場合

      これらは定款に書いておかないと効力が認められません。

    3. 任意的記載事項(自由に記載できる事項)
      法的な効力とは直接関係しませんが、会社運営上便利な内容を自由に記載することができる事項です。
        • 取締役の人数、任期など
        • 事業年度(例:毎年4月1日から翌年3月31日まで)
        • 株主総会の開催方法
        • 公告の方法(電子公告、官報など)

      任意的記載事項は、会社の将来の運営や意思決定を円滑にするためにも重要です。

●その他のポイント
  • 定款の認証(株式会社の場合)
    株式会社を設立する場合、公証人による定款の認証が必要です。合同会社(LLC)の場合は認証不要です。
  • 電子定款を活用すれば印紙代4万円が不要
    紙の定款は印紙税4万円が必要ですが、「電子定款」にすれば印紙税がかかりません。電子定款を作成するには専門的な手続きが必要なので、司法書士や行政書士に依頼するケースも多いです。
  • 定款の変更には株主総会の特別決議が必要
    定款は一度作成したら終わりではなく、会社の状況や事業の拡大に応じて変更が必要になることがあります。この場合、株主総会の特別決議(通常の議決より厳しい要件)での承認が必要です。

■参考書籍■
【独立希望者必見】面白いほど理解できる(税理士が教える)起業・会社経営Q&A
酒井敏行/松本有史/箕輪俊之/岩木功 箸
TAC株式会社出版事業部 発行

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定額減税と確定申告

令和6年度税制改正に伴い、令和6年分所得税について定額による所得税額の特別控除(定額減税)が実施されることとなりました。
定額減税の概要は以下のとおりです。
詳しくは、国税庁の定額減税についてのページをご覧ください。

  • 定額減税の対象となる方
    定額減税の対象者は、令和6年分所得税の納税者である居住者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下である方(給与収入のみの方の場合、給与収入が2,000万円以下(注)である方)です。
    (注) 子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用を受ける方は、2,015万円以下となります。
  • 定額減税額(令和6年分特別税額控除の額)
    特別控除の額は、次の金額の合計額です。
    ただし、その合計額がその人の所得税額を超える場合には、控除される金額は、その所得税額が限度となります。
 所得税個人住民税
本人分3万円1万円
同一生計配偶者又は扶養親族1人につき3万円1人につき1万円

詳しくは、国税庁の定額減税と確定申告ページをご覧ください。

●定額減税の実施方法

特別控除は、所得の種類によって、次の方法により実施されます。

  1. 給与所得者に係る特別控除
    令和6年6月1日以後最初に支払われる給与等(賞与を含むものとし、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している勤務先から支払われる給与等に限ります。)につき源泉徴収をされるべき所得税及び復興特別所得税(以下「所得税等」といいます。)の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる給与等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
    なお、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合は、年末調整により調整することとなります。
    また、次の1~3に該当する場合などは、令和6年分の確定申告において最終的な特別控除の額を計算の上、納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することとなります。
    1. 主たる給与の支払者からの給与収入が2,000万円を超えるとき
    2. 年の途中で退職し、給与等に係る源泉徴収について特別控除の額の控除が行われていない(又は控除しきれない額がある)とき
    3. 年末調整において、所得税額から特別控除の額を控除した際、控除しきれない額が生じる場合(特別控除の額が所得税額を上回る場合)において、次に該当するとき
      • 給与所得以外の所得があるとき
      • 退職所得に係る源泉徴収税額があるとき
      • 2か所以上から給与の支払を受けているとき
  2. 公的年金等の受給者に係る特別控除
    令和6年6月1日以後最初に厚生労働大臣等から支払われる公的年金等(確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける年金等を除きます。)につき源泉徴収をされるべき所得税等の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる公的年金等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
    なお、「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合(例えば、令和6年中に扶養親族の人数が増加した場合など)は、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)において、最終的な特別控除の額を計算の上、納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することとなります。
    ※給与と公的年金等に係る両方の所得を有する方は、還付申告となる場合や年金所得者に係る申告不要制度(注)の適用がある場合で確定申告をしないときを除き、確定申告において、所得税額から最終的な特別控除の額や源泉徴収税額等を差し引いて納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することになります。
    (注)年金所得者の申告不要制度…次のいずれにも該当する場合に、計算の結果、納税額がある場合でも、所得税等の確定申告は必要ありません。(注1・2)
    1. 公的年金等の収入金額が400万円以下(注3・4)
    2. 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下
      (注1)所得税等の確定申告が必要ない場合でも、住民税の申告が必要な場合があります。詳しくは、お住まいの市区町村の窓口にお尋ねください。

      (注2)所得税等の確定申告が必要ない場合でも、一定の要件に該当する場合には、還付を受けるための申告(還付申告)を行うことで税金が還付されます。

      (注3)源泉徴収を要しない公的年金等の規定(所得税法第203条の7)の適用を受けるものを除きます。

      (注4)一定の外国年金が国外で支払われる場合などには、源泉徴収の対象となりません。

  3. 事業所得者等に係る特別控除
    原則として、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)の際に所得税の額から特別控除の額が控除されます。
    予定納税の対象となる方については、確定申告での控除を待たずに、令和6年6月以後に通知される、令和6年分の所得税に係る第1期分予定納税額(7月)(注)から本人分に係る特別控除の額に相当する金額が控除されます。
    なお、同一生計配偶者または扶養親族に係る特別控除の額に相当する金額については、予定納税額の減額申請の手続により特別控除の額を控除することができ、第1期分予定納税額から控除しきれなかった場合には、控除しきれない部分の金額を第2期分予定納税額(11月)から控除します。
    また、確定申告による精算に関する情報は、随時国税庁ホームページにて更新を行っていきます。
    (注)特別農業所得者(農業所得の金額に係る一定の要件を満たすものとして申告等をしている方)については、第2期分予定納税額(11月)となります。

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吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

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