銀行との付き合い方はどうするべきか

銀行は一見節税と関係ないように思われますが、深いところでは全く無関係という訳ではありません。
例えば中小企業の機械の特別控除は、1基160万円以上の機械及び装置、1台120万円以上の測定工具及び検査工具、合計70万円以上のソフトウェアなど、ある程度まとまった金額の資産を購入しないと適用を受けられません。
また、賃上げ促進税制も給与の支払いが増えていなければならないという要件があります。
このように、税務上のメリットを受けるために、お金を使う必要がある場合があります。お金は車でいうガソリンのようなもので、無借金でこつこつ貯めていくと数年かかってしまうものが、金融機関から上手に借入をすることで、1年で目標を達成できることもあります。ただし、借入がうまくいくかどうかはわからず、不安な点もあるかと思います。

●借入経験豊富な税理士に交渉してもらう

さて、その借入ですが、社長が直接金融機関と交渉するとうまくいかないケースが出てきます。単純に借入をするという行為に対する経験が少ないため、借入をするためのポイントがズレてしまっていることから、審査に落ちてしまうケースがあるのです。
その点、税理士は多数のクライアントを抱えているので、常に融資の相談を受けています。社長個人とは比較にならないほど経験値があるので、金融機関に提出する融資申込書や各種計画表の受けのよい作り方はもちろん、金融機関からの質問に対する回答についても、的確なアドバイスをすることができます。また、すでに融資を受けている場合、まだ借入が可能かなども察しがつきます。
それ以上に大きいのは、社長が借入に行くと融資担当者と初顔合わせになり、先方も大丈夫な社長かどうかを慎重に見定めようとしますが、なじみの税理士の紹介だと貸してくれるかはさておき、少なくとも無下には扱われません。税理士は他のクライアントをもっているので、別の会社から融資の申し込みを取れるかもしれないからです。
よって融資を受けたい場合は、顧問税理士に相談して間に入ってもらい、一言いってもらうだけでも大分可能性が広がります。

●金融機関は複数行と付き合う

複数の金融機関と付き合うメリットは様々あります。
金融機関の支店長や融資担当者は定期的に交代になりますが、新しい担当者の場合は数カ月様子見することが多く、融資に消極的になるケースがあります。そのような場合に、担当者が変更していない他行に掛け合えば勝手知ったる仲として融通が利きやすくなります。また複数行と付き合いがあることで金利交渉を行利に進めることもできます。

また借入の半分くらいを返済すると、返済した分くらいは追加で貸してくれることがあります。このときに一つの銀行のみから借入をした場合、元の融資期間が7年とすると3~4 年しないと追加で借りられません。
ですが、1年目にメガバンクや地銀、2年目に信金、3年目に政策金融公庫などと、時期をずらして複数の金融機関から借りることができれば、4年目にメガバンクから追加融資、5年目に信金から追加融資、6年目に政策金融公庫から追加融資といったように、毎期の資金繰りが非常に楽になっていくので、税理士とうまく連携し、資金計画を練っていきましょう。

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定額減税と確定申告

令和6年度税制改正に伴い、令和6年分所得税について定額による所得税額の特別控除(定額減税)が実施されることとなりました。
定額減税の概要は以下のとおりです。
詳しくは、国税庁の定額減税についてのページをご覧ください。

  • 定額減税の対象となる方
    定額減税の対象者は、令和6年分所得税の納税者である居住者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下である方(給与収入のみの方の場合、給与収入が2,000万円以下(注)である方)です。
    (注) 子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用を受ける方は、2,015万円以下となります。
  • 定額減税額(令和6年分特別税額控除の額)
    特別控除の額は、次の金額の合計額です。
    ただし、その合計額がその人の所得税額を超える場合には、控除される金額は、その所得税額が限度となります。
 所得税個人住民税
本人分3万円1万円
同一生計配偶者又は扶養親族1人につき3万円1人につき1万円

詳しくは、国税庁の定額減税と確定申告ページをご覧ください。

●定額減税の実施方法

特別控除は、所得の種類によって、次の方法により実施されます。

  1. 給与所得者に係る特別控除
    令和6年6月1日以後最初に支払われる給与等(賞与を含むものとし、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している勤務先から支払われる給与等に限ります。)につき源泉徴収をされるべき所得税及び復興特別所得税(以下「所得税等」といいます。)の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる給与等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
    なお、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合は、年末調整により調整することとなります。
    また、次の1~3に該当する場合などは、令和6年分の確定申告において最終的な特別控除の額を計算の上、納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することとなります。
    1. 主たる給与の支払者からの給与収入が2,000万円を超えるとき
    2. 年の途中で退職し、給与等に係る源泉徴収について特別控除の額の控除が行われていない(又は控除しきれない額がある)とき
    3. 年末調整において、所得税額から特別控除の額を控除した際、控除しきれない額が生じる場合(特別控除の額が所得税額を上回る場合)において、次に該当するとき
      • 給与所得以外の所得があるとき
      • 退職所得に係る源泉徴収税額があるとき
      • 2か所以上から給与の支払を受けているとき
  2. 公的年金等の受給者に係る特別控除
    令和6年6月1日以後最初に厚生労働大臣等から支払われる公的年金等(確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける年金等を除きます。)につき源泉徴収をされるべき所得税等の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる公的年金等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
    なお、「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合(例えば、令和6年中に扶養親族の人数が増加した場合など)は、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)において、最終的な特別控除の額を計算の上、納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することとなります。
    ※給与と公的年金等に係る両方の所得を有する方は、還付申告となる場合や年金所得者に係る申告不要制度(注)の適用がある場合で確定申告をしないときを除き、確定申告において、所得税額から最終的な特別控除の額や源泉徴収税額等を差し引いて納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することになります。
    (注)年金所得者の申告不要制度…次のいずれにも該当する場合に、計算の結果、納税額がある場合でも、所得税等の確定申告は必要ありません。(注1・2)
    1. 公的年金等の収入金額が400万円以下(注3・4)
    2. 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下
      (注1)所得税等の確定申告が必要ない場合でも、住民税の申告が必要な場合があります。詳しくは、お住まいの市区町村の窓口にお尋ねください。

      (注2)所得税等の確定申告が必要ない場合でも、一定の要件に該当する場合には、還付を受けるための申告(還付申告)を行うことで税金が還付されます。

      (注3)源泉徴収を要しない公的年金等の規定(所得税法第203条の7)の適用を受けるものを除きます。

      (注4)一定の外国年金が国外で支払われる場合などには、源泉徴収の対象となりません。

  3. 事業所得者等に係る特別控除
    原則として、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)の際に所得税の額から特別控除の額が控除されます。
    予定納税の対象となる方については、確定申告での控除を待たずに、令和6年6月以後に通知される、令和6年分の所得税に係る第1期分予定納税額(7月)(注)から本人分に係る特別控除の額に相当する金額が控除されます。
    なお、同一生計配偶者または扶養親族に係る特別控除の額に相当する金額については、予定納税額の減額申請の手続により特別控除の額を控除することができ、第1期分予定納税額から控除しきれなかった場合には、控除しきれない部分の金額を第2期分予定納税額(11月)から控除します。
    また、確定申告による精算に関する情報は、随時国税庁ホームページにて更新を行っていきます。
    (注)特別農業所得者(農業所得の金額に係る一定の要件を満たすものとして申告等をしている方)については、第2期分予定納税額(11月)となります。

■参考書籍■
【新版】本当使える節税の本(社長、そんな節税ではあとがコワイです!)
冨田健太郎/葛西安寿 箸
株式会社自由国民社 発行

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吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

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