資金調達の方法

起業を志すとき、最初に直面する大きな課題が「資金調達」です。事業を軌道に乗せるためには、どのように資金を準備し、リスクとリターンをどうバランスさせるかが成功のカギとなります。資金調達には大きく分けて、自己資金・融資や借入・第三者からの出資・補助金や助成金の4つの方法があります。それぞれの特徴を理解し、自分の事業に最適な調達手段を選びましょう。

●自己資金
  • ポイント
    • 最も確実で、返済義務も利息も発生しない資金源。
    • 投資家や金融機関に対して「本気度」を示す重要な要素になる。
    • 自己資金比率が高いと、融資審査や出資交渉に有利。
  • 注意点
    • 生活費まで切り崩してしまうと資金繰りが苦しくなる。
    • 将来の予備費(予想外の出費や運転資金)も残しておくことが大切。
●融資・借入(金融機関や公的融資)
  • 主な種類
    • 日本政策金融公庫(創業融資)
    • 信用保証協会付き融資(地銀・信金経由)
    • 民間金融機関のビジネスローン
  • メリット
    • 出資と違い、自分の持株比率や経営権を失わない。
    • 創業融資は無担保・無保証で利用できる場合もある。
  • 注意点
    • 返済義務あり。資金繰りを見越した返済計画が必須。
    • 審査には事業計画書の完成度が大きく影響。
●第三者からの出資
  • 出資者の種類
    • ベンチャーキャピタル(VC)
    • エンジェル投資家
    • 事業会社(CVC)や取引先
  • メリット
    • 返済義務がなく、事業の成長に専念できる。
    • 出資者の人脈・ノウハウ・信用を活用できる。
  • 注意点
    • 株式比率の希薄化=経営権を一部手放すことになる。
    • 出資契約条件(優先株式、配当権、将来のEXIT条件)をよく理解する必要あり。
●補助金・助成金
  • 代表例
    • 創業補助金(地域によって異なる)
    • IT導入補助金
    • ものづくり補助金
    • 各自治体の創業支援助成金
  • メリット
    • 返済不要で、資金調達負担を大きく軽減できる。
    • 補助対象となる経費(システム導入、広告費、人件費など)が広い。
  • 注意点
    • 採択率は高くないため「必ずもらえる資金」ではない。
    • 申請書類作成や実績報告が手間で、会計処理も厳格さが求められる。
●まとめ(資金調達の流れイメージ)
  1. 自己資金は信用力の基盤
  2. 融資は安定的な資金調達手段
  3. 出資は成長加速と引き換えに経営権を分け合う手段
  4. 補助金・助成金は「もらえればラッキー」だが計画的に活用する必要あり

■参考書籍■
【独立希望者必見】面白いほど理解できる(税理士が教える)起業・会社経営Q&A
酒井敏行/松本有史/箕輪俊之/岩木功 箸
TAC株式会社出版事業部 発行

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定額減税と確定申告

令和6年度税制改正に伴い、令和6年分所得税について定額による所得税額の特別控除(定額減税)が実施されることとなりました。
定額減税の概要は以下のとおりです。
詳しくは、国税庁の定額減税についてのページをご覧ください。

  • 定額減税の対象となる方
    定額減税の対象者は、令和6年分所得税の納税者である居住者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下である方(給与収入のみの方の場合、給与収入が2,000万円以下(注)である方)です。
    (注) 子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用を受ける方は、2,015万円以下となります。
  • 定額減税額(令和6年分特別税額控除の額)
    特別控除の額は、次の金額の合計額です。
    ただし、その合計額がその人の所得税額を超える場合には、控除される金額は、その所得税額が限度となります。
 所得税個人住民税
本人分3万円1万円
同一生計配偶者又は扶養親族1人につき3万円1人につき1万円

詳しくは、国税庁の定額減税と確定申告ページをご覧ください。

●定額減税の実施方法

特別控除は、所得の種類によって、次の方法により実施されます。

  1. 給与所得者に係る特別控除
    令和6年6月1日以後最初に支払われる給与等(賞与を含むものとし、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している勤務先から支払われる給与等に限ります。)につき源泉徴収をされるべき所得税及び復興特別所得税(以下「所得税等」といいます。)の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる給与等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
    なお、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合は、年末調整により調整することとなります。
    また、次の1~3に該当する場合などは、令和6年分の確定申告において最終的な特別控除の額を計算の上、納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することとなります。
    1. 主たる給与の支払者からの給与収入が2,000万円を超えるとき
    2. 年の途中で退職し、給与等に係る源泉徴収について特別控除の額の控除が行われていない(又は控除しきれない額がある)とき
    3. 年末調整において、所得税額から特別控除の額を控除した際、控除しきれない額が生じる場合(特別控除の額が所得税額を上回る場合)において、次に該当するとき
      • 給与所得以外の所得があるとき
      • 退職所得に係る源泉徴収税額があるとき
      • 2か所以上から給与の支払を受けているとき
  2. 公的年金等の受給者に係る特別控除
    令和6年6月1日以後最初に厚生労働大臣等から支払われる公的年金等(確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける年金等を除きます。)につき源泉徴収をされるべき所得税等の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる公的年金等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
    なお、「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合(例えば、令和6年中に扶養親族の人数が増加した場合など)は、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)において、最終的な特別控除の額を計算の上、納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することとなります。
    ※給与と公的年金等に係る両方の所得を有する方は、還付申告となる場合や年金所得者に係る申告不要制度(注)の適用がある場合で確定申告をしないときを除き、確定申告において、所得税額から最終的な特別控除の額や源泉徴収税額等を差し引いて納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することになります。
    (注)年金所得者の申告不要制度…次のいずれにも該当する場合に、計算の結果、納税額がある場合でも、所得税等の確定申告は必要ありません。(注1・2)
    1. 公的年金等の収入金額が400万円以下(注3・4)
    2. 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下
      (注1)所得税等の確定申告が必要ない場合でも、住民税の申告が必要な場合があります。詳しくは、お住まいの市区町村の窓口にお尋ねください。

      (注2)所得税等の確定申告が必要ない場合でも、一定の要件に該当する場合には、還付を受けるための申告(還付申告)を行うことで税金が還付されます。

      (注3)源泉徴収を要しない公的年金等の規定(所得税法第203条の7)の適用を受けるものを除きます。

      (注4)一定の外国年金が国外で支払われる場合などには、源泉徴収の対象となりません。

  3. 事業所得者等に係る特別控除
    原則として、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)の際に所得税の額から特別控除の額が控除されます。
    予定納税の対象となる方については、確定申告での控除を待たずに、令和6年6月以後に通知される、令和6年分の所得税に係る第1期分予定納税額(7月)(注)から本人分に係る特別控除の額に相当する金額が控除されます。
    なお、同一生計配偶者または扶養親族に係る特別控除の額に相当する金額については、予定納税額の減額申請の手続により特別控除の額を控除することができ、第1期分予定納税額から控除しきれなかった場合には、控除しきれない部分の金額を第2期分予定納税額(11月)から控除します。
    また、確定申告による精算に関する情報は、随時国税庁ホームページにて更新を行っていきます。
    (注)特別農業所得者(農業所得の金額に係る一定の要件を満たすものとして申告等をしている方)については、第2期分予定納税額(11月)となります。

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吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

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