減価償却とは何か

会社設立や企業の立ち上げ時には、設備やパソコン、車両などの購入が必要になることが多くあります。こうした高額な資産は、購入した年に全額を費用にするのではなく、一定の年数に分けて費用計上する「減価償却」という仕組みで処理します。減価償却の考え方を理解することは、企業の資金計画や利益管理において非常に重要です。ここでは、会社設立時に知っておきたい減価償却の基本を税理士の視点から解説します。

減価償却とは少しずつ費用を計上していく方法
  • 減価償却とは、会社設立後に企業が購入した建物・機械・車両・パソコンなどの固定資産を、購入した年に全額費用にするのではなく、一定期間に分けて費用として計上していく会計処理です。資産は長期間にわたり事業に利用されるため、その使用期間に応じて費用配分することで、企業の利益をより正確に把握できるようになります。
  • 例えば企業が100万円の設備を購入した場合、耐用年数が5年であれば毎年20万円ずつ費用として計上する方法などがあります。この仕組みにより、会社設立直後の企業でも費用が急激に偏ることなく、事業の実態に近い利益計算を行うことが可能になります。

▼税理士のアドバイス
減価償却は企業の利益を平準化する重要な仕組みです。会社設立直後は設備投資が多く、利益や税額の見通しが分かりにくくなりがちです。税理士と相談しながら減価償却方法や設備投資のタイミングを検討することで、資金繰りや税負担を踏まえた経営判断がしやすくなります。

耐用年数とは
  • 耐用年数とは、固定資産を事業で使用できると想定される期間のことで、企業が自由に決めるものではなく税法で基準が定められています。例えばパソコンは4年、普通自動車は6年、建物は構造によって異なるなど、資産の種類ごとに耐用年数が決まっています。
  • 企業はこの耐用年数に基づいて減価償却費を毎年計上します。会社設立後に設備投資を行う場合、耐用年数を理解しておくことで、将来どのくらいの費用が毎年計上されるのかを予測でき、企業の利益計画や資金計画を立てやすくなります。

▼税理士のアドバイス
会社設立時の企業では、設備投資を行う際に耐用年数を意識することが重要です。耐用年数が長い資産は、費用化されるまでに時間がかかるため、短期的な節税効果は小さくなります。資産の種類や事業計画を踏まえて、投資のタイミングや内容を税理士と一緒に検討することが望ましいでしょう。

実際のお金の動きとの違い
  • 減価償却は会計上の費用計上であり、実際のお金の支出とは一致しません。企業が設備を購入する際には購入時に現金や預金が支払われますが、会計上はその支出を複数年に分けて費用計上していきます。このため、減価償却費は「お金が出ていかない費用」とも呼ばれます。
  • 会社設立後の企業では、利益が出ているのに手元資金が少ない、あるいは利益が少なくても資金が残っているといった状況が生じることがあります。これは減価償却のように、会計上の費用と実際の資金の動きが異なることが原因の一つです。

▼税理士のアドバイス
企業経営では、利益だけでなく資金繰りを同時に管理することが重要です。減価償却費は資金支出を伴わないため、利益と資金の差が生まれます。会社設立後は特に資金管理が重要になるため、資金繰り表などを作成し、税理士と定期的に確認することをおすすめします。

その他のポイント(減価償却の実務)
  • 減価償却には主に「定額法」と「定率法」という計算方法があります。定額法は毎年同じ金額を費用計上する方法で、建物などに用いられます。一方、定率法は初年度に多く費用計上し、年々減少していく方法で、機械設備などで利用されることがあります。
  • また、企業では少額資産の特例や一括償却資産など、税制上の特例を活用できる場合があります。会社設立直後の企業では設備投資が多くなるため、これらの制度を理解しておくことで、税負担を抑えながら効率的な資産管理を行うことが可能になります。

▼税理士のアドバイス
会社設立直後の企業では、設備投資の金額やタイミングによって税額が大きく変わることがあります。減価償却の特例制度や資産区分を正しく理解することで、無理のない資金計画を立てることができます。設備購入前の段階から税理士に相談することが、企業経営を安定させるポイントです。

■参考書籍■
【独立希望者必見】面白いほど理解できる(税理士が教える)起業・会社経営Q&A
酒井敏行/松本有史/箕輪俊之/岩木功 箸
TAC株式会社出版事業部 発行

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定額減税と確定申告

令和6年度税制改正に伴い、令和6年分所得税について定額による所得税額の特別控除(定額減税)が実施されることとなりました。
定額減税の概要は以下のとおりです。
詳しくは、国税庁の定額減税についてのページをご覧ください。

  • 定額減税の対象となる方
    定額減税の対象者は、令和6年分所得税の納税者である居住者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下である方(給与収入のみの方の場合、給与収入が2,000万円以下(注)である方)です。
    (注) 子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用を受ける方は、2,015万円以下となります。
  • 定額減税額(令和6年分特別税額控除の額)
    特別控除の額は、次の金額の合計額です。
    ただし、その合計額がその人の所得税額を超える場合には、控除される金額は、その所得税額が限度となります。
 所得税個人住民税
本人分3万円1万円
同一生計配偶者又は扶養親族1人につき3万円1人につき1万円

詳しくは、国税庁の定額減税と確定申告ページをご覧ください。

●定額減税の実施方法

特別控除は、所得の種類によって、次の方法により実施されます。

  1. 給与所得者に係る特別控除
    令和6年6月1日以後最初に支払われる給与等(賞与を含むものとし、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している勤務先から支払われる給与等に限ります。)につき源泉徴収をされるべき所得税及び復興特別所得税(以下「所得税等」といいます。)の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる給与等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
    なお、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合は、年末調整により調整することとなります。
    また、次の1~3に該当する場合などは、令和6年分の確定申告において最終的な特別控除の額を計算の上、納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することとなります。
    1. 主たる給与の支払者からの給与収入が2,000万円を超えるとき
    2. 年の途中で退職し、給与等に係る源泉徴収について特別控除の額の控除が行われていない(又は控除しきれない額がある)とき
    3. 年末調整において、所得税額から特別控除の額を控除した際、控除しきれない額が生じる場合(特別控除の額が所得税額を上回る場合)において、次に該当するとき
      • 給与所得以外の所得があるとき
      • 退職所得に係る源泉徴収税額があるとき
      • 2か所以上から給与の支払を受けているとき
  2. 公的年金等の受給者に係る特別控除
    令和6年6月1日以後最初に厚生労働大臣等から支払われる公的年金等(確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける年金等を除きます。)につき源泉徴収をされるべき所得税等の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる公的年金等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
    なお、「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合(例えば、令和6年中に扶養親族の人数が増加した場合など)は、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)において、最終的な特別控除の額を計算の上、納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することとなります。
    ※給与と公的年金等に係る両方の所得を有する方は、還付申告となる場合や年金所得者に係る申告不要制度(注)の適用がある場合で確定申告をしないときを除き、確定申告において、所得税額から最終的な特別控除の額や源泉徴収税額等を差し引いて納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することになります。
    (注)年金所得者の申告不要制度…次のいずれにも該当する場合に、計算の結果、納税額がある場合でも、所得税等の確定申告は必要ありません。(注1・2)
    1. 公的年金等の収入金額が400万円以下(注3・4)
    2. 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下
      (注1)所得税等の確定申告が必要ない場合でも、住民税の申告が必要な場合があります。詳しくは、お住まいの市区町村の窓口にお尋ねください。

      (注2)所得税等の確定申告が必要ない場合でも、一定の要件に該当する場合には、還付を受けるための申告(還付申告)を行うことで税金が還付されます。

      (注3)源泉徴収を要しない公的年金等の規定(所得税法第203条の7)の適用を受けるものを除きます。

      (注4)一定の外国年金が国外で支払われる場合などには、源泉徴収の対象となりません。

  3. 事業所得者等に係る特別控除
    原則として、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)の際に所得税の額から特別控除の額が控除されます。
    予定納税の対象となる方については、確定申告での控除を待たずに、令和6年6月以後に通知される、令和6年分の所得税に係る第1期分予定納税額(7月)(注)から本人分に係る特別控除の額に相当する金額が控除されます。
    なお、同一生計配偶者または扶養親族に係る特別控除の額に相当する金額については、予定納税額の減額申請の手続により特別控除の額を控除することができ、第1期分予定納税額から控除しきれなかった場合には、控除しきれない部分の金額を第2期分予定納税額(11月)から控除します。
    また、確定申告による精算に関する情報は、随時国税庁ホームページにて更新を行っていきます。
    (注)特別農業所得者(農業所得の金額に係る一定の要件を満たすものとして申告等をしている方)については、第2期分予定納税額(11月)となります。

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吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

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