会社設立後の各種届出

会社設立後には、法務局での登記が完了した後、各官公庁への届出が必要です。以下に「届出先」「届出書類」「提出期限」「留意点」の項目ごとに整理してご説明します。

●税務署への届出
項目内容
届出先管轄の税務署
届出書類
  1. 法人設立届出書
  2. 青色申告の承認申請書
  3. 源泉所得税の納期の特例の承認申請書(該当時)
  4. 給与支払事務所等の開設届出書
提出期限原則として設立日から2か月以内(青色申告は設立日以降3か月または最初の事業年度終了日のいずれか早い日)
留意点
  • 青色申告を利用することで、欠損金の繰越控除などの優遇が受けられる
  • 給与を支払う場合、源泉徴収義務が発生するため「給与支払事務所等の開設届出書」が必要
●都道府県税事務所・市区町村への届出
項目内容
届出先各都道府県の税事務所および市区町村(法人住民税、事業税等のため)
届出書類法人設立届出書(都道府県・市区町村それぞれに提出が必要)
提出期限設立後2か月以内
留意点
  • 都道府県と市区町村で様式が異なる場合がある
  • 納税地の確認が必要(本店所在地が納税地になる)
●年金事務所(日本年金機構)への届出
項目内容
届出先管轄の年金事務所(日本年金機構)
届出書類
  1. 新規適用届(健康保険・厚生年金)
  2. 被保険者資格取得届(役員や従業員の分)
提出期限原則として、設立後5日以内(または雇用開始日)
留意点
  • 役員のみの会社でも社会保険の加入義務あり(法人は強制適用事業所)
  • 健康保険・厚生年金ともに届け出が必要
●労働基準監督署への届出
項目内容
届出先管轄の労働基準監督署
届出書類
  1. 労働保険関係成立届
  2. 労働保険概算保険料申告書
提出期限雇用開始から10日以内
留意点
  • 労働者(パート含む)を1人でも雇った場合は届出が必要
  • 労災保険が対象となるため漏れがないように注意
●ハローワーク(公共職業安定所)への届出
項目内容
届出先管轄のハローワーク
届出書類
  1. 雇用保険適用事業所設置届
  2. 被保険者資格取得届
提出期限雇用後10日以内
留意点
  • 雇用保険に加入する従業員(原則として週20時間以上勤務など)がいる場合に必要
  • 届出を怠るとさかのぼっての保険料請求などがあるので注意
●その他(任意)
項目内容
届出先
  • 銀行(法人口座開設)
  • 法務局(会社印鑑の印鑑証明書取得)など
届出書類
  • 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • 印鑑証明書
  • 定款の写し
提出期限任意(できるだけ早く)
留意点
  • 法人口座開設には時間がかかる場合あり(書類不備などで)
  • 会社印は複数作っておくと便利(実印・銀行印・角印)
●補足
  • スケジュール管理が大切です。 特に「青色申告の承認申請」「社会保険の加入」「労働保険の届出」など、期限を過ぎると不利益があるものがあります。
  • 税理士・社労士と連携することで、確実かつ効率的に手続きを進められます。
  • 書類の控えを必ず保管し、提出日・担当者名などもメモしておくと後日の確認に便利です。

■参考書籍■
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定額減税と確定申告

令和6年度税制改正に伴い、令和6年分所得税について定額による所得税額の特別控除(定額減税)が実施されることとなりました。
定額減税の概要は以下のとおりです。
詳しくは、国税庁の定額減税についてのページをご覧ください。

  • 定額減税の対象となる方
    定額減税の対象者は、令和6年分所得税の納税者である居住者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下である方(給与収入のみの方の場合、給与収入が2,000万円以下(注)である方)です。
    (注) 子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用を受ける方は、2,015万円以下となります。
  • 定額減税額(令和6年分特別税額控除の額)
    特別控除の額は、次の金額の合計額です。
    ただし、その合計額がその人の所得税額を超える場合には、控除される金額は、その所得税額が限度となります。
 所得税個人住民税
本人分3万円1万円
同一生計配偶者又は扶養親族1人につき3万円1人につき1万円

詳しくは、国税庁の定額減税と確定申告ページをご覧ください。

●定額減税の実施方法

特別控除は、所得の種類によって、次の方法により実施されます。

  1. 給与所得者に係る特別控除
    令和6年6月1日以後最初に支払われる給与等(賞与を含むものとし、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している勤務先から支払われる給与等に限ります。)につき源泉徴収をされるべき所得税及び復興特別所得税(以下「所得税等」といいます。)の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる給与等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
    なお、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合は、年末調整により調整することとなります。
    また、次の1~3に該当する場合などは、令和6年分の確定申告において最終的な特別控除の額を計算の上、納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することとなります。
    1. 主たる給与の支払者からの給与収入が2,000万円を超えるとき
    2. 年の途中で退職し、給与等に係る源泉徴収について特別控除の額の控除が行われていない(又は控除しきれない額がある)とき
    3. 年末調整において、所得税額から特別控除の額を控除した際、控除しきれない額が生じる場合(特別控除の額が所得税額を上回る場合)において、次に該当するとき
      • 給与所得以外の所得があるとき
      • 退職所得に係る源泉徴収税額があるとき
      • 2か所以上から給与の支払を受けているとき
  2. 公的年金等の受給者に係る特別控除
    令和6年6月1日以後最初に厚生労働大臣等から支払われる公的年金等(確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける年金等を除きます。)につき源泉徴収をされるべき所得税等の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる公的年金等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
    なお、「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合(例えば、令和6年中に扶養親族の人数が増加した場合など)は、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)において、最終的な特別控除の額を計算の上、納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することとなります。
    ※給与と公的年金等に係る両方の所得を有する方は、還付申告となる場合や年金所得者に係る申告不要制度(注)の適用がある場合で確定申告をしないときを除き、確定申告において、所得税額から最終的な特別控除の額や源泉徴収税額等を差し引いて納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することになります。
    (注)年金所得者の申告不要制度…次のいずれにも該当する場合に、計算の結果、納税額がある場合でも、所得税等の確定申告は必要ありません。(注1・2)
    1. 公的年金等の収入金額が400万円以下(注3・4)
    2. 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下
      (注1)所得税等の確定申告が必要ない場合でも、住民税の申告が必要な場合があります。詳しくは、お住まいの市区町村の窓口にお尋ねください。

      (注2)所得税等の確定申告が必要ない場合でも、一定の要件に該当する場合には、還付を受けるための申告(還付申告)を行うことで税金が還付されます。

      (注3)源泉徴収を要しない公的年金等の規定(所得税法第203条の7)の適用を受けるものを除きます。

      (注4)一定の外国年金が国外で支払われる場合などには、源泉徴収の対象となりません。

  3. 事業所得者等に係る特別控除
    原則として、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)の際に所得税の額から特別控除の額が控除されます。
    予定納税の対象となる方については、確定申告での控除を待たずに、令和6年6月以後に通知される、令和6年分の所得税に係る第1期分予定納税額(7月)(注)から本人分に係る特別控除の額に相当する金額が控除されます。
    なお、同一生計配偶者または扶養親族に係る特別控除の額に相当する金額については、予定納税額の減額申請の手続により特別控除の額を控除することができ、第1期分予定納税額から控除しきれなかった場合には、控除しきれない部分の金額を第2期分予定納税額(11月)から控除します。
    また、確定申告による精算に関する情報は、随時国税庁ホームページにて更新を行っていきます。
    (注)特別農業所得者(農業所得の金額に係る一定の要件を満たすものとして申告等をしている方)については、第2期分予定納税額(11月)となります。

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吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

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