サラリーマンが起業を目指す場合、リスクを最小限に抑えつつスムーズに事業を立ち上げるためには、いくつかの重要なポイントを抑える必要があります。以下に「副業」「住民税」「経営者目線」「人事管理」「円満退社」の5つの観点から、それぞれの注意点と心得・手引きを解説します。
- 副業の観点からの注意点
- 会社の就業規則を確認
- 副業が認められているかどうかは、就業規則に明記されていることが多いため必ず確認。
- 規則に違反すると懲戒の対象になることも。
- 副業の内容によっては問題になることも
- 本業と競合するビジネスは避ける(利益相反にあたる)。
- 勤務時間中に副業に関する連絡・作業をしない。
- 本業とのバランス管理
- 起業準備は多くの時間を要するため、体調や本業に悪影響を与えないように。
- 会社の就業規則を確認
- 住民税の観点からの注意点
- 住民税で副業がバレるリスク
- 給与所得以外の所得(事業所得など)が発生すると、住民税の「特別徴収」と「普通徴収」の違いにより会社に通知が行くことがあります。
- 対策:確定申告時に「住民税は普通徴収を選択」
- 確定申告書の該当欄で「自分で納付(普通徴収)」を選ぶことで、会社を通さず自分で納付可能。
- この操作を忘れると、本業の給与と副業収入が合算されて会社に通知される可能性あり。
- 住民税で副業がバレるリスク
- 経営者目線の習得
- 「やることをやる」から「やるべきことを決める」へ
- サラリーマンは上から与えられた仕事をこなす役割が多いが、経営者は「何をすべきか」を自分で考え、決め、動く立場。
- お金の管理は最重要
- 売上よりも「利益」「キャッシュフロー」の管理が命。
- 初期段階では無駄な経費は極力削減。自己資金の枯渇リスクに注意。
- 小さく始めて大きく育てる
- 最初から大きく始めず、スモールスタートが基本。
- 市場テストを行いながら、ニーズに応じてピボット(方向転換)も視野に。
- 「やることをやる」から「やるべきことを決める」へ
- 人事管理の心得(将来的に人を雇う場合)
- 「人を雇う=責任を持つ」ことを理解
- 雇用すると、その人の生活がかかっているという認識を持つ。
- 労働条件、社会保険、労災、給与体系などの整備が必要。
- 明確な採用基準と教育制度を
- ミスマッチを防ぐため、採用方針を明確に。
- 新人が早く戦力になれるよう、教育マニュアルや業務フローの整備が重要。
- 「人を雇う=責任を持つ」ことを理解
- 円満退社のための準備と配慮
- 退職時期の見極め
- 起業の準備が整うまで辞めないのが理想(副業でのテスト段階が終了してから)。
- 収入が安定するまで「生活資金6ヶ月分」の貯蓄があると安心。
- 引き継ぎはしっかりと
- 退職時には後任への引き継ぎを誠実に行い、職場に感謝の姿勢を示す。
- 将来的に人脈や協業の可能性もあるため、良好な関係を残すことが大切。
- 退職願は「1〜2ヶ月前」に提出
- 法律上は2週間前でも可能だが、常識的には1〜2ヶ月前がスムーズ。
- 退職時期の見極め
- 副業の観点からの注意点
- まとめ:起業への第一歩は「現実を直視」しながら「夢を形に」
- 情熱やビジョンは大切ですが、「数字」「法律」「周囲への配慮」も起業には欠かせません。
- サラリーマン時代の安定を利用して、リスクを分散しながら土台を築くのが成功への近道です。
■参考書籍■
【独立希望者必見】面白いほど理解できる(税理士が教える)起業・会社経営Q&A
酒井敏行/松本有史/箕輪俊之/岩木功 箸
TAC株式会社出版事業部 発行
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定額減税と確定申告
令和6年度税制改正に伴い、令和6年分所得税について定額による所得税額の特別控除(定額減税)が実施されることとなりました。
定額減税の概要は以下のとおりです。
詳しくは、国税庁の定額減税についてのページをご覧ください。
- 定額減税の対象となる方
定額減税の対象者は、令和6年分所得税の納税者である居住者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下である方(給与収入のみの方の場合、給与収入が2,000万円以下(注)である方)です。
(注) 子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用を受ける方は、2,015万円以下となります。 - 定額減税額(令和6年分特別税額控除の額)
特別控除の額は、次の金額の合計額です。
ただし、その合計額がその人の所得税額を超える場合には、控除される金額は、その所得税額が限度となります。
所得税 | 個人住民税 | |
本人分 | 3万円 | 1万円 |
同一生計配偶者又は扶養親族 | 1人につき3万円 | 1人につき1万円 |
詳しくは、国税庁の定額減税と確定申告ページをご覧ください。
特別控除は、所得の種類によって、次の方法により実施されます。
- 給与所得者に係る特別控除
令和6年6月1日以後最初に支払われる給与等(賞与を含むものとし、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している勤務先から支払われる給与等に限ります。)につき源泉徴収をされるべき所得税及び復興特別所得税(以下「所得税等」といいます。)の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる給与等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
なお、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合は、年末調整により調整することとなります。
また、次の1~3に該当する場合などは、令和6年分の確定申告において最終的な特別控除の額を計算の上、納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することとなります。- 主たる給与の支払者からの給与収入が2,000万円を超えるとき
- 年の途中で退職し、給与等に係る源泉徴収について特別控除の額の控除が行われていない(又は控除しきれない額がある)とき
- 年末調整において、所得税額から特別控除の額を控除した際、控除しきれない額が生じる場合(特別控除の額が所得税額を上回る場合)において、次に該当するとき
- 給与所得以外の所得があるとき
- 退職所得に係る源泉徴収税額があるとき
- 2か所以上から給与の支払を受けているとき
- 公的年金等の受給者に係る特別控除
令和6年6月1日以後最初に厚生労働大臣等から支払われる公的年金等(確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける年金等を除きます。)につき源泉徴収をされるべき所得税等の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる公的年金等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
なお、「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合(例えば、令和6年中に扶養親族の人数が増加した場合など)は、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)において、最終的な特別控除の額を計算の上、納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することとなります。
※給与と公的年金等に係る両方の所得を有する方は、還付申告となる場合や年金所得者に係る申告不要制度(注)の適用がある場合で確定申告をしないときを除き、確定申告において、所得税額から最終的な特別控除の額や源泉徴収税額等を差し引いて納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することになります。
(注)年金所得者の申告不要制度…次のいずれにも該当する場合に、計算の結果、納税額がある場合でも、所得税等の確定申告は必要ありません。(注1・2)- 公的年金等の収入金額が400万円以下(注3・4)
- 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下
(注1)所得税等の確定申告が必要ない場合でも、住民税の申告が必要な場合があります。詳しくは、お住まいの市区町村の窓口にお尋ねください。(注2)所得税等の確定申告が必要ない場合でも、一定の要件に該当する場合には、還付を受けるための申告(還付申告)を行うことで税金が還付されます。
(注3)源泉徴収を要しない公的年金等の規定(所得税法第203条の7)の適用を受けるものを除きます。
(注4)一定の外国年金が国外で支払われる場合などには、源泉徴収の対象となりません。
- 事業所得者等に係る特別控除
原則として、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)の際に所得税の額から特別控除の額が控除されます。
予定納税の対象となる方については、確定申告での控除を待たずに、令和6年6月以後に通知される、令和6年分の所得税に係る第1期分予定納税額(7月)(注)から本人分に係る特別控除の額に相当する金額が控除されます。
なお、同一生計配偶者または扶養親族に係る特別控除の額に相当する金額については、予定納税額の減額申請の手続により特別控除の額を控除することができ、第1期分予定納税額から控除しきれなかった場合には、控除しきれない部分の金額を第2期分予定納税額(11月)から控除します。
また、確定申告による精算に関する情報は、随時国税庁ホームページにて更新を行っていきます。
(注)特別農業所得者(農業所得の金額に係る一定の要件を満たすものとして申告等をしている方)については、第2期分予定納税額(11月)となります。

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吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。