税額控除は当期の税額を直接減らすことができ、かつ取り戻されないものなので非常に有用な制度です。ただし無制限に税額控除できるわけではなく、当期の法人税額に制度ごとに定められた一定割合を乗じた金額までと制限されています。
また税額控除を取りきれなかった場合、翌期に繰越できるものとできないものとがあり、繰越ができないものについては、取りきれなかった時点で権利放棄することになってしまいます。折角の税額控除なので、できれば全部取りきりたいものですが、どうしていけばよいのでしょうか。
簡単な事例で確認していきましょう。
賃上げ促進税制を適用、雇用者給与等支給額の増加額……100万円
当期の所得金額……900万円
当期の法人税額……135万円
期ズレ前払費用……100万円
賃上げ促進税制の場合、雇用者給与等支給額の増加額の最大30%が税額控除の対象となります。また、法人税額の20%が限度額であり、取りきれなかった場合の繰越は認められません。現状では「100万円×30%=30万円」の控除枠があるのですが、法人税額の20%が「135万円×20%=27万円」しかないため、3万円は切り捨てられてしまいます。
そこで、あえて所得を増やして法人税額を増加させ、限度額を増やしています。期ズレが100万円あるのでこれを取らなければ当期の所得は1000万円となり、法人税額は1000万円×15%=150万円になります。「150万円×20%=30万円」なので、控除対象額以上となり、税額控除が全て取りきれることになりました。
結果として、当期の法人税を12万円多く支払うことになりますが、当期に入れなかった期ズレ分を翌期に取れば、翌期の法人税が15万円少なくなるので、2年間トータルでみると、税額控除が取れた分の3万円が納税減となります。
仕組みさえ理解していれば簡単なので、税額控除が取りきれないような状況があれば、あえて「益出し」をして税金を増やし、税額控除を取る方法を検討してみてください。
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インボイス制度(適格請求書等保存方式)2023年10月1日開始
令和5年(2023年)10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が開始されます。適格請求書(インボイス)を発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られ、この「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。
- 適格請求書(インボイス)とは
売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。
具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータをいいます。 - インボイス制度とは
<売手側>売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります)。<買手側>買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイス(※)の保存等が必要となります。※買手は、自らが作成した仕入明細書等のうち、一定の事項(インボイスに記載が必要な事項)が記載され取引相手の確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除の適用を受けることもできます。
■参考書籍■
【新版】本当使える節税の本(社長、そんな節税ではあとがコワイです!)
冨田健太郎/葛西安寿 箸
株式会社自由国民社 発行
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045-869-0337
営業時間 : 9:30〜18:00《土日祝休日》
吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。