法人成りで所得を分散する

「法人成り」とは、個人事業主が法人になることをいいます。「法人成り」をするメリットとしては大きく次の2つが挙げられます。

●法人成りの2つのメリット

1つ目のメリットは、所得を分散することで、課される所得税率を引き下げることにあります。すなわち、個人事業主の場合は、儲け全てに所得税が課されますが、法人にして役員報酬をもらうようにすると、法人へストックしておく分には法人税が課され、役員報酬としてもらう分には所得税が課されることになります。所得税の税率は、5%~45%までの7段階あり、所得が増えれば増えるほど税率は高くなります(これに住民税10%が加わります)が、法人税の税率は15%~23.2%です(一定の中小法人で年間所得
800万円までは軽減税率が適用されます)。従って、「法人成り」を行って所得を分散することができれば、適用される所得税の税率を引き下げることができるのです。
2つ目のメリットは、役員報酬について給与所得控除が適用されることです。給与所得控除とは、給与等の収入金額に応じて自動的に一定額が控除される制度のことをいいます。個人事業主の場合は、売上から経費を差し引いた儲けについて所得税が課されますが、この儲け分を給与として受け取ると、給与所得控除を差し引くことができます。
例えば、個人事業主で2000万円の課税所得が出た場合の税金は、約800万円となります。しかし、法人の場合は役員報酬と法人の所得とを分けることができるので、役員報酬を1200万円、法人へのストック分を800万円とした場合、所得税は約320万円、法人税は約180万円となり、所得税と法人税を合わせた税額は約500万円となります(税額には住民税と事業税を含みます)。
税率差はもちろん、最大で195万円ある給与所得控除をフルに使うことで、大きな節税効果を生むことができます。ただし、役員報酬の設定には一定の注意点があるので確認してください。
また、売上から源泉徴取されてしまうような業種(執筆、デザイン、講演など)で、売上代金が満額入らず資金繰りが厳しいときは、「法人成り」をすることで源泉徴取されず、資金繰りが良化する効果もあるので該当する方は検討してみてください。

当事務所では、会計ソフトの導入支援を行っています。
会計ソフトで入力なんて不安と思われる方もいらっしゃると思いますが当事務所でしっかりとサポートしますので安心してください。
実際会計ソフトを導入された方のほとんどが、ソフトを導入して良かったとおっしゃっています。

インボイス制度(適格請求書等保存方式)2023年10月1日開始

令和5年(2023年)10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が開始されます。適格請求書(インボイス)を発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られ、この「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。

  • 適格請求書(インボイス)とは
    売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。
    具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータをいいます。
  • インボイス制度とは
    <売手側>
     売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります)。
    <買手側>
     買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイス(※)の保存等が必要となります。
    ※買手は、自らが作成した仕入明細書等のうち、一定の事項(インボイスに記載が必要な事項)が記載され取引相手の確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除の適用を受けることもできます。

■参考書籍■
【新版】本当使える節税の本(社長、そんな節税ではあとがコワイです!)
冨田健太郎/葛西安寿 箸
株式会社自由国民社 発行

お問合せ・ご相談はこちらからどうぞ

045-869-0337

営業時間 : 9:30〜18:00《土日祝休日》

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

この記事を書いた人