2017年11月に国税庁から「平成28事務年度の法人税等の調査事績の概要」が発表されました。この発表によると、平成28事務年度において行われた実地による税務調査の件数は次の通りとなっています。
- 法人税……9万7000件
- 法人の消費税……9万3000件
- 源泉所得税……11万6000件
次に、10年前の平成18事務年度を確認してみましょう。
- 法人税……14万7000件
- 法人の消費税……13万9000件
- 源泉所得税……20万2000件
なんと、全ての税目で大幅に実地調査件数が減少しています。各税目の減少割合は次の通りです。
- 法人税……約34%減少
- 法人の消費税……約33%減少
- 源泉所得税……約42%減少
ここまで減少した理由の一つとして、2011年に12月に公布、2013年1月に施行された税務調査の手続きに係る国税通則法の改正があります。この改正により税務署内部の審理が厳格になり、審理を通すための資料収集やその他税務署側の事務作業が増加したため、実地調査が減少したものと考えられています。
このような状況を踏まえ、2017年6月に「税務行政の将来像~スマート化を目指して~」が国税庁から発表され、税務調査の重点課題として「国際的租税回避への対応」、「富裕層に対する適正課税の確保」、「大口・悪質事案への対応」を挙げています。
さらに、課税・徴収の効率化・高度化を図るため、
- 申告内容の自動チェック
- 軽微な誤りのオフサイト処理(手紙、電子メールでの接触)
- 調査・徴収での活用
を柱に挙げています。これらを踏まえると、今後は、実地調査すべき事案はA1によって判定され、それ以外の軽微な誤り等については実地調査ではない方法での接触というような、メリハリの利いた税務調査になっていくのではないでしょうか。