借金返済の資金計画を立てる

●現状の売上で借金の返済ができまるか

借りたお金はきちんと返済しなければなりません。銀行から払い込まれたお金は、あっという間に、設備の購入や仕入代金の支払いに充てられ、通帳から消えてしまっているはずです。
お金を借りたら、商売で稼いだお金で借金と利息を返済していかなければならないのです。「大丈夫 大丈夫!儲かるから心配はいらない!」と豪語している社長さん、こんな勘違いをしていませんか。

  • 借金の返済金は費用になる
  • 借金を返すと税金が安くなる

こんな勘違いをされている社長さんが多いことには驚かされます。利息と違って借金の返済金は費用になりませんし、もちろん税金が安くなることもありません。きちんと資金計画をたて、いくらまでなら借入できるのか、またいくら稼げばいいのか、しっかりと把握しておくようにしましょう。
資金計画を社長さん自身の言葉で説明できるようになると、金融機関の会社に対する信頼度はグンとあがります。雨の日には傘を貸さない銀行から融資が受けられるようになるかもしれません。

●資金計画を立てる

資金計画表は、事業計画の収支表を少し改良するだけで作成することができます。この表の差引収支の金額が借入金返済後の収支を表します。

  • 差引収支がマイナスになった・ 借入金の返済ができません。無理な借金です。
  • 差引収支がプラスになった・ 借入金の返済ができます。

この表を使って借入をするまえに資金計画を立てましよう。改良のポイントは次の4つです。

【ポイント1】減価償却費を追加する

減価償却費は正確な利益を計算が必要です。この減価償却費はお金の支払いを伴わない費用です。利益計算と収支計算では、減価償却費の取り扱いが異なりますので注意してください。

  • 利益計算(儲けの計算)=売上高ー仕入高ー経費計(減価債却費を含む)
  • 資金計算(お金の帳尻)=売上高ー仕入高ー経費計(減価償却費を除く)
【ポイント2】税金を計算する

利益から税金を差し引いた金額が借入金を返済できる金額です。税金を計算する行を追加しましょう。税率はここでは40%にしてあります。なお交際費などの加算が多い場合はさらに税率を上げるなど注意してください。

【ポイント3】借入金返済を追加する

会社に入金された借入金の元金を返したお金は、負債の返済なので費用として計上できません。税金を差し引いたあとの利益から返済することになります。従って、借入金の返済は、「税金の行」のあとに追加します。

【ポイント4】差引収支を追加する

差引収支とは、1年間の入金額から支払額を差し引いた金額で、お金の帳尻をあらわしています。この差引収支の金額で返済可能か判断できます。

資金計画表

単位万円

摘要1年目
売上高定番1,440
バーゲン720
ビンテージ600
2,760
仕入高定番70%1,008
バーゲン80%576
ビンテージ60%360
1,944
粗利益816
経費変動ロイヤリティー4%110
発送費用10%276
 0%0
固定人件費 
家賃 
支払利息 
その他216
減価償却費10
経費計612
利益204
税金   利益×40%81
借入金返済120
差引収支12

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インボイス制度(適格請求書等保存方式)2023年10月1日開始

令和5年(2023年)10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が開始されます。適格請求書(インボイス)を発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られ、この「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。

  • 適格請求書(インボイス)とは
    売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。
    具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータをいいます。
  • インボイス制度とは
    <売手側>
     売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります)。
    <買手側>
     買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイス(※)の保存等が必要となります。
    ※買手は、自らが作成した仕入明細書等のうち、一定の事項(インボイスに記載が必要な事項)が記載され取引相手の確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除の適用を受けることもできます。

参考:起業したらまっさきに読む経理の本(笠原清明著)
   株式会社インプレスコミュニケーションズ

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