手数料を支払う

銀行の振込や官公庁の各種手続きにかかる手数料などは、「支払手数料」の勘定科目で経理処理をします。販売代理店の手数料や紹介手数料などは「代理店手数料」などの勘定科目を新たに設定して経理処理をします。

●経理処理のポイント
支払手数料の勘定科目で経理処理するのは、会社の運営管理上の手続きなどにかかる各種手数料です。主な費目は次のとおりです。

  • 銀行の振り込みや振替、各種手続きにかかる手数料
  • 登記所や税務署、市役所などの各種手続きにかかる手数料
  • 税理士や弁護士、社会保険労務士、司法書士などの専門家に支払う費用

販売代理店に支払う販売手数料や得意先の紹介手数料などは、売上に関連して発生する手数料であることから、会社の運営管理上の手続きなどにかかる手数料とは性格が異なります。そこでこれらの手数料か発生したときは、「代理店手数料」などの勘定科目を新たに設定して経理処理をおこないます。

●税務署はここをチェックする
税理士などの専門家に手数料を支払うときは、所得税を天引きして支払わなければなりません。所得税の徴収は会社の任意でなく義務となっています。税務署の調査では、徴収漏れがないか厳重にチェックします。もし徴収漏れが発見されると、税務署は会社に徴収課税します。追徴された税金は、本来支払先から返してもらうべきものですが、現実的には回収できないことが多くあります。回収できないと追徴額は会社が負担することになってしまいます。専門家に報酬を支払うときは徴収漏れがないよう充分注意してください。

●消費税の税区分
支払手数料は原則として消費税が課税されます。ただし、国や地方公共団体などに支払う証明や登記、登録、試験、検査、文書交付などの行政手数料は、消費税が課税されません。税区分が「対象外」になっているか、消費税が自動計算されていないか確認しましょう。

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改正電子帳簿保存法は2022年1月に施行

電子帳簿保存法とは、国税に関する帳簿や書類(国税関連帳簿書類)を電磁的記録(電子データ)等により、保存する時の方法について定めた法律です。

令和3年度税制改正では、電子帳簿保存法の大幅見直しが行われました。
事前申請の廃止やタイムスタンプ要件の見直し等の要件緩和が実施されるだけでなく、令和4年1月1日以後、電子取引は電子による保存が義務化となりました。これは、事業規模に係わらず企業・個人事業主が対象となります。
対応すべき範囲は想像以上に広く、早急な対策が必要です。

2021年12月10日、令和4年度税制改正大綱において、2022年1月1日に施行される改正電子帳簿保存法で「電子取引の取引情報に係る電磁的記録(PDFファイル等)」の出力書面による保存が認められないこととなっていた取り扱いを緩和する方針が示されました。
2023年(令和5年)12月31日までの2年間は、一定の要件下で引き続き電子取引を紙で保存することができるように経過措置を講ずるとのことです。
なお、一定の要件下とは、
  • 当該電子取引の取引情報を、電子帳簿保存法第7条が定める保存要件に従って保存をすることができなかったことについて、やむを得ない事情があると認められること
    そして
  • 出力書面によって適切に保存していること(質問検査権に基づく書面の提示または提出の求めに応じられるようにしていること)
とされています。

参考:起業したらまっさきに読む経理の本(笠原清明著)
   株式会社インプレスコミュニケーションズ

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