所得金額

法人税の所得金額(税金をかけるもとになる税務上の利益)は、会計上の利益に一定の調整をして計算します。
会計上は、収益から費用を引いて利益を求めますが、税務上は「益金」から「損金」を引いて所得を算出します。会計の収益費用と税務の益金損金は、会計と税務の目的や考え方の違いから異なる部分があります。
会計は株主への報告や経営判断に必要な数値を算出することを目的とするのに対し、税務は課税の公平性や適切な税負担、国の政策判断による優遇などを目的としているため、違いが生じるのです。

●課税対象となる所得金額

法人税を計算するときは、損益計算書の「当期純利益」をベースにして、会計と税務の差を調整し、所得金額を計算します。前期から繰り越された欠損金がある場合には、ここで控除します。

●資本金や課税所得によって異なる税率
▼法人税の税率
中小法人課税所得800万円以下 15%
中小法人課税所得800万円超 23.2%
中小法人以外 23.2%

所得金額に税率を乗じて法人税額を算出します。現在の法人税の税率は、上図のように定められています。
中小法人とは、普通法人のうち資本金の額が1億円以下などの一定の法人をいいます。日本の法人の税率は、外国企業誘致や国際競争力向上のため、近年段階的に引き下げられています。
所得金額に税率を乗じて法人税額を算出した後、適用を受けられる税額控除があれば差し引きます。税額控除制度は、二重課税の排除や国の政策などによって設けられるものです。
以上の方法によって算出された法人税額が年間の法人の事業活動に対する法人税額です。原則として、事業年度終了後2カ月以内に申告し、税額を納付します。

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インボイス制度(適格請求書等保存方式)2023年10月1日開始

令和5年(2023年)10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が開始されます。適格請求書(インボイス)を発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られ、この「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。

  • 適格請求書(インボイス)とは
    売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。
    具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータをいいます。
  • インボイス制度とは
    <売手側>
     売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります)。
    <買手側>
     買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイス(※)の保存等が必要となります。
    ※買手は、自らが作成した仕入明細書等のうち、一定の事項(インボイスに記載が必要な事項)が記載され取引相手の確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除の適用を受けることもできます。

■参考書籍■
【新版】本当使える節税の本(社長、そんな節税ではあとがコワイです!)
冨田健太郎/葛西安寿 箸
株式会社自由国民社 発行

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