決算賞与と決算セールどちらも所詮は期ズレ

本来であれば翌期に計上するもののうち、一定の手順を踏むことで当期に計上できるものが2つあります。これらも期ズレではあるのですが、翌期に調整しやすい項目なので、使い勝手はよい手法です。ただし、使い方を間違えてしまうと余計な出費をしただけということになりかねないので、ここではその概要を確認していきましょう。

●翌期に調整が必要ならば決算賞与は支給しない

1つめは「決算賞与の計上」です。決算賞与は決算時に未払いであっても、一定の要件を満たすことで経費として計上することができます。従業員のモチベーションも上がるので決算賞与の支給は悪くない手段といえます。
しかし、翌期の賞与を減らして調整すればよいと考えている経営者も少なからずいます。決算賞与は払ったけれども、年間の賞与額は例年と変わらなかったというケースも見受けられます。翌期に調整するつもりであれば、そもそも決算賞与を支給しないほうがよいかもしれません。税金はその場その場ですが、従業員は未来永劫会社のために働いてくれる貴重なリソースです。賞与を調整弁として使うのはあまりおすすめできません。

●節税目的の原価割れ販売は本末転倒

2つめは決算セールです。決算時に原価割れ販売をすることで棚卸資産の評価損を計上する手法ですが、節税目的で原価割れ販売をするというのは本末転倒でしょう。少しでも利益を乗せて販売する戦略を練ったほうがよほど会社に残る利益は大きくなります。
また、税務否認される可能性があることも否めません。リスクを負って損失を出す手法を敢えて取るというのは、経営上問題があるのではないでしょうか。さらにいえば、原価割れ販売をすることで自社のブランドイメージか低下する恐れも十分にあり、その恩恵が多少の税額減であれば、よい施策といえないのではないでしょうか。
決算賞与と決算セールは、利益の調整弁としておすすめの節税策といわれています。目先の税金のことだけを考えるのであれば確かに悪くない手法ですが、将来を見据えた場合は、むしろ愚策となってしまう可能性が高いです。どちらも所詮は期ズレです。期ズレのために将来を台無しにすることがないよう、十分注意してください。

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インボイス制度(適格請求書等保存方式)2023年10月1日開始

令和5年(2023年)10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が開始されます。適格請求書(インボイス)を発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られ、この「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。

  • 適格請求書(インボイス)とは
    売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。
    具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータをいいます。
  • インボイス制度とは
    <売手側>
     売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります)。
    <買手側>
     買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイス(※)の保存等が必要となります。
    ※買手は、自らが作成した仕入明細書等のうち、一定の事項(インボイスに記載が必要な事項)が記載され取引相手の確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除の適用を受けることもできます。

■参考書籍■
【新版】本当使える節税の本(社長、そんな節税ではあとがコワイです!)
冨田健太郎/葛西安寿 箸
株式会社自由国民社 発行

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営業時間 : 9:30〜18:00《土日祝休日》

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

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