法人の確定申告の種類には、「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。白色申告にはメリットがないため、殆どの法人が、税務上圧倒的に有利な青色申告の承認を受けています。
青色申告の特典は、主に「欠損金の繰越控除」「特別償却・割増償却」「税額控除」「推計課税がされない」ことの4つが挙げられます。順番に確認していきましょう。
- 欠損金の繰越控除は、法人がある期に赤字を出した場合に、その金額を翌期以降10年にわたって黒字から控除できるしくみです。例えば中小法人等が前期に税務上200万円の赤字を出し、当期の利益が100万円だったとします。本来であれば、当期の利益100万円が課税の対象となるところですが、前期の欠損金200万円のうち100万円をぶつけることができるため、当期の課税所得はゼロとなり、法人税を納税する必要がなくなります。残りの欠損金100万円は、さらに翌期へ繰り越すことができます。なお資本金1億円超など一定の法人の場合、欠損金の控除は、当期の税務上の利益の50%が限度となります。今回のケースの場合、当期は50万円が課税の対象となり、残りの欠損金150万円は翌期に繰り越すことになります。
- 特別償却・割増償却は、一定の資産などを購入した場合に、より多くの減価償却費を計上できる特典です。
- 税額控除は、固定資産や人件費などについて一定の支出があった場合に、税額を直接控除できる特典です。これら2つの特典は、制度の新設や廃止、計算方法などの変更が頻繁に行われるため、適用を受けられる制度がないか、毎期情報を収集するとよいでしょう。
- 推計課税は、同業他社との比較などによって、税務署が帳簿に基づかずに独自に税金を計算して課税する方法ですが、青色申告法人に行うことはできません。青色申告法人の場合、税務署は法人が作成した帳簿の調査に基づいて更正などの判断を行います。
青色申告をするためには、事前に申請書を提出し、税務署長の承認を受ける必要があります。設立初年度の場合には設立後3カ月以内、または設立事業年度終了日のいずれか早い日の前日までに「青色申告の承認申請書」を所轄税務署長に提出すれば、初年度から青色申告法人となります。設立第2期以降の場合は、適用を受けようとする事業年度開始日の前日までに申請書を提出する必要があります。申請書提出後、税務署から何も連絡がなければ、自動的に承認があったことになります。
青色申告の承認を受けると、法定の帳簿記録と保存をしなければなりませんが、この点は白色中告とほとんど変わりません。青色申告になることによる手間やデメリットは特にないので、早めに承認を受けておくとよいでしょう。
区分(年) | 青色申告法人数(件) | 青色申告普及割合(%) |
1950 | 14万4674 | 47.8 |
1960 | 45万8171 | 69.7 |
1970 | 91万9368 | 82.7 |
1980 | 161万2117 | 90.4 |
1990 | 224万1800 | 89.0 |
1995 | 250万626 | 92.6 |
2000 | 261万3621 | 90.6 |
2002 | 260万2258 | 89.8 |
出所:国税庁HP「法人数及び青色申告法人数の推移」より編集部作成
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インボイス制度(適格請求書等保存方式)2023年10月1日開始
令和5年(2023年)10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が開始されます。適格請求書(インボイス)を発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られ、この「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。
- 適格請求書(インボイス)とは
売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。
具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータをいいます。 - インボイス制度とは
<売手側>売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります)。<買手側>買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイス(※)の保存等が必要となります。※買手は、自らが作成した仕入明細書等のうち、一定の事項(インボイスに記載が必要な事項)が記載され取引相手の確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除の適用を受けることもできます。
■参考書籍■
【新版】本当使える節税の本(社長、そんな節税ではあとがコワイです!)
冨田健太郎/葛西安寿 箸
株式会社自由国民社 発行
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営業時間 : 9:30〜18:00《土日祝休日》
吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。