黒字倒産しないように経営しよう

●黒字でも倒産することがある

会社は儲かっていれば倒産することはない…普通、このように考えますよね。しかし、儲かっていても倒産することがあるのです。それも黒字倒産という言葉があるぐらいですから、決して珍しいことではないのです。黒字倒産の主な原因は資金不足です。
儲けることばかりでなく、資金繰りのことも考えて会社を経営することが大切です

●黒字倒産しないために(支払条件に気をつけよう)

得意先と取引の条件を話し合うとき、どんなことを1番考えて交渉しますか。仕入先と取引の条件を話し合うとき、どんなことを1番考えて交渉しますか。値段だという方がほとんどではないでしょうか。安く仕入れて高く売る、これが商売の基本です。しかし値段と同じくらい大切なのが支払条件です。得意先の支払条件が悪いと、資金が不足して、黒字倒産になりかねません。仕入先(翌月末払い)、得意先(翌々月末払い)、売上が毎月100万円ずつ増加する条件で試算してみましょう。

▼儲けの計算(単位万円)

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売上1,0001,1001,2001,3001,4001,500
仕入8008809601,0401,1201,200
経費150150150150150150
利益507090110130150

▼資金収支の計算(単位万円)

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入金001,0001,1001,2001,300
仕入 8008809601,0401,120
経費150150150150150150
利益-150-950-30-101030

利益は順調に増えているのに、資金収支はなかなか好転しません。現実にはマイナスの月は資金が不足しますので、銀行などから借入をする必要があります。2ヶ月目に不足する資金950万円を銀行から3年返済、利率6%の条件で借り入れたとして、資金収支を計算してみましょう。更に収支が悪くなるのがおわかりいただけると思います。

▼資金収支の計算(単位万円)

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収支-150-950-30-101030
借入 950    
利益 04444
元金返済 026262626
収支-1500-60-40-200

もし得意先との取引条件が翌月払いだとすると、このような資金不足の状態に陥ることはありません。取引条件を決めるとき、値段も大切だけれど、支払条件も同じくらい大切だと覚えてください。支払はできるだけ遅く、回収はできるだけ早くです。
支払と回収のバランスを確かめたい場合は、貸借対照表の売掛金と買掛金のパランスを見ると良いでしょう。売掛金より買掛金が多い場合は、資金を早く回収できているので、良いバランスを保っていると判断できます。一方、買掛金より売掛金が多い場合は、資金の回収が遅いので、資金繰りに負担がかかっていると判断できます。

●黒字倒産しないために(在庫に気をつけよう)

上記の収支計算を見て、厳しいなあ、と思っている方、実際の計算はもっと厳しくなります。なぜなら、上記の資金収支の計算は、仕入れた商品がすぐに売れるという、あり得ない前提に基づいているからです。
在庫商品の購入代金は、仕入先に支払うので資金繰りに影響を与えます。例えば、在庫商品が500万円あると、その分だけ資金が流出し、収支が悪くなります。
商品在庫が増えていくと、どんどん資金繰りが悪化してしまいます。1円でも安くと商品の仕入に気を遣う経営者も、在庫の管理はおざなりになりがちです。「在庫商品」=「お金」と認識し、しっかりと在庫管理を行うようにしてください。
損益計算書の「売上高」を貸借対照表の「商品」で割ると、商品回転率が算出できます。商品回転率が高いと在庫が少ないということを表します。逆に低いと在庫が多いことを表します。過去の推移をチェックする、あるいは同業者の数値と比較することにより、常に適正な在庫水準を保つようにしてください。

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インボイス制度(適格請求書等保存方式)2023年10月1日開始

令和5年(2023年)10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が開始されます。適格請求書(インボイス)を発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られ、この「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。

  • 適格請求書(インボイス)とは
    売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。
    具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータをいいます。
  • インボイス制度とは
    <売手側>
     売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります)。
    <買手側>
     買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイス(※)の保存等が必要となります。
    ※買手は、自らが作成した仕入明細書等のうち、一定の事項(インボイスに記載が必要な事項)が記載され取引相手の確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除の適用を受けることもできます。

参考:起業したらまっさきに読む経理の本(笠原清明著)
   株式会社インプレスコミュニケーションズ

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