「2月5日に15万円でパソコンを購入した(決算月は3月とする)」という事例をもとに各償却方法について説明します。
償却率一覧表(旧定額法)から4年の耐用年数に対応する償却率は「0.250」です。旧定額法の計算式は次の通りです。1年目から順次、減価償却費を計算していきましょう。
計算式:取得価額×90%×償却率×使用月数÷12
- 1年目
150,000×90%×0.250×2÷12=5,625 - 2年目
150,000×90%×0.250=33,750 - 3年目
150,000×90%×0.250=33,750 - 4年目
以後もこの要領で計算をします。ただし償却費が計上できるのは取得価額の95%までです。この事例では142,500円(150,000円×95%)まで償却費を計上できるということになります。償却累計額が95%に達したら、そこで旧定額法のカ式による償却を打ち切ります。
償却累計額が95%に達した年の翌年以降
未償却の金額は、償却累計額が95%に達した翌年以降、1円の備忘価額まで5年にわたり均等に償却していきます。
計算式は、旧定額法と同様ですが次の点が異なっていますので注意してください。
- 旧定額法では取得価額に90%をかけてから償却率をかけましたが、新しい定額法では90%をかける必要がなくなりました。
- 償却費が計上できるのは、取得価額の95%までという規定が廃止され、1円の備忘価額まで償却できるようになりました。
償却率一覧表(改正後の定額法)から4年の耐用年数に対応する償却率は「0.250」となっています。それでは1年目から順次、減価償却費を計算していきましょう。
- 1年目
150,000×0.250×2÷12=6,250 - 2年目
150,000×0.250=37,500 - 3年目
150,000×0.250=37,500 - 4年目
150,000×0.250=37,500 - 5年目
5年目も償却費は、37,500円と言いたいところですが、償却できるのは備忘価額の1円までです。1年目から4年目までに118,750円の慣却費を計上していますので、5年目は次の金額までしか償却費を計上することができませんので注意してください。
150,000ー1ー118,750=31,249円
一括償却は毎年、取得価額の3分の1を償却する方法です。単純に3分の1を償却しますので、使用月数や耐用年数を考慮する必要はありません。耐用年数の長い資産や決算間際に購入した資産は、一括償却で減価償却をすると、定額法や定率法に比べて沢山の費用を計上することができます。税金を安くしたいと考えている会社にお薦めします。一括償却は、20万円未満の資産であれば、会社の意志で自由に選択することができます。事前の届出などは必要ありません。
- 1年目取得価額×3分の1 → 150,000×3分の1=50,000
- 2年目取得価額×3分の1 → 150,000×3分の1=50,000
- 3年目取得価額×3分の1 → 150,000×3分の1=50,000
主な無形固定資産の耐用年数は次のとおりです。
社内で使用するソフトウェア:5年
特許権:8年
意匠権:7年
減価償却費は、取得価額に定額法の償却率をかけて計算します。有形固定資産の旧定額法は、取得価額に90%をかけましたが、無形固定資産の場合その必要はありません。
また取得価額が20万円未満のものは、一括償却を選択することができます。
「2月5日に15万円で会計ソフトを購入した(決算月は3月とする)」という事例をもとに、減価償却費の計算方法について具体的に説明します。
- 1年目
取得価額×償却率×使用月数÷12 → 150,000×0.200×2÷12=5,000 - 2年目
取得価額×償却率 → 150,000×0.200=30,000 - 3年目
取得価額×償却率 → 150,000×0.200=30,000
以後同様に続く。償却累計額が取得価額の18%に達するまで毎年償却をする。
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インボイス制度(適格請求書等保存方式)2023年10月1日開始
令和5年(2023年)10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が開始されます。適格請求書(インボイス)を発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られ、この「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。
- 適格請求書(インボイス)とは
売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。
具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータをいいます。 - インボイス制度とは
<売手側>売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります)。<買手側>買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイス(※)の保存等が必要となります。※買手は、自らが作成した仕入明細書等のうち、一定の事項(インボイスに記載が必要な事項)が記載され取引相手の確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除の適用を受けることもできます。
参考:起業したらまっさきに読む経理の本(笠原清明著)
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