消費税関連の届出書の書き方

書類名消費税簡易課税制度選択届出書
提出場所税務署
提出対象簡易課税制度で消費税の申告をしたい会社
提出期限新設法人:設立事業年度の末日
その他の法人:選択する事業年度が始まるまで

スーパーやコンビニなどのお店で買い物をすると10%の消費税を商品代金とともに支払います。この消費税がどこへ行くかというと、別にお店の懐に入ってしまうわけではありません。お店は、お客さんから受け取った消費税から仕入先などに支払った消費税を差し引いて税務署に納付します。
設立した会社もお店と同じように、得意先などから受け取った消費税を税務署に納付するという立場になります。消費税の納税義務はいくつかの特例が設けられていて大変複雑な仕組みになっています。起業した皆さんが新設した会社の納税義務について説明します。
現在、前々年の課税売上高が1,000万円以下の会社については消費税の納税義務が免除されるという特例が設けられています。起業した皆さんか新設した会社はどうなるでしょうか。前々年は会社がなかった場合は、前々年の売上高が0円なので納税義務はないということになります。
ここまでだと 「新設法人は2年間納税義務なし」 ということで話は単純なのですが、資本金が1000万円以上の新設法人については、1期目と2期目の納税義務を免除しないという特例がさらに設けられています。
新設法人の納税義務について整理をすると、

  • 資本金1,000万円未満の会社:1期目と2期目について納税義務がない
  • 資本金1,000万円以上の会社:1期目と2期目について納税義務がある

ということになります。
※どちらの会社も3期目からは、前々年の課税売上高が1,000万円以下かどうかで納税義務の有無を判定します。
資本金1,000万円以上の会社が税務署に提出するのが、この「消費税の新設法人に該当する旨の届出書」です。
※平成25年1月1日以後に開始する事業年度から一定の売上または給与等の支払いがある法人は、設立当初2期間の消費税免除措置の適用がなくなりますのでご注意ください。

書類名消費税の新設法人に該当する旨の届出書
提出場所税務署
提出対象資本金が1,000万円以上の会社
提出期限会社を設立したら速やかに提出する

税務署に納める消費税の金額を売上高、業種ごとに定められた率(みなし仕入率)を使って計算する方法です。前々年の課税売上高が5,000万円以下の会社だけが選択することができます。

書類名消費税課税事業者届出書
提出場所税務署
提出対象前々年の課税売上高が1,000万円を超えた会社
提出期限速やかに提出する

前々年の課税売上高が1,000万円を超えたことにより、消費税の納税義務者になる会社が提出します。消費税の新設法人に該当する会社も第3期以降忘れずに提出しましょう。

書類名消費税課税事業者選択届出書
提出場所税務署
提出対象免税事業者があえて課税事業者を選択する場合
提出期限新設法人:設立事業年度の末日
その他の法人:選択する事業年度が始まるまで

得意先などより受け取った消費税より仕人先などに支払った消費税が多い場合は、消費税の申告をして税務署から差額を還付してもらえます。免税事業者は消費税の申告ができませんので、還付を受けるためには、この届出書を提出して課税事業者になる必要があります。設備投資が多い場合や赤字が見込まれる場合は試算してみましょう。

参考:起業したらまっさきに読む経理の本(笠原清明著)
   株式会社インプレスコミュニケーションズ

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