●経理処理のポイント
給与から控除する厚生年金保険料、健康保険料の金額は、日本年金機構または協会けんぽから標準報酬月額として決定された金額をもとに計算します。従って、毎月の給料の金額が変動しても、それに応じて保険料の金額が変動することはありません。
標準報酬月額の金額は、その年に新たに社会保険に加入した方は資格取得届(社会保険に加入した時に届け出る書類)をもとに、継続して加入している方は算定基礎届(毎年7月に給与の金額を届け出る書類)をもとに、日本年金機構または協会けんぽが決定します。10月に社会保険に加入した方を例に、標準報酬月額の決定方法は、次のとおりになります。標準報酬月額の金額は、毎年9月に改訂されること、改正された金額が翌年8月まで使われることを理解しておきましょう。
●標準報酬月額の決定方法
給料から差し引く保険料の金額は 、「社会保険事務手続きの手引き」に記載された保険料額表で求めます。ただし改正が頻繁に行われていますので、日本年金機構、協会けんぽのホームページで最新版を確認しておきましょう。ここでは平成24年4月の保険料額料表で保険料の金額を求めてみましょう。健康保険は23,700円、厚生年金は41,030円となります。
●保険料額表から給与から控除する社会保険料の金額を求める
健保等級 | 月額 | 報酬月額 |
以上~未満 | ||
29 | 470,000 | 455,000~485,000 |
30 | 500,000 | 485,000~515,000 |
31 | 530,000 | 515,000~545,000 |
Aさんの標準的な月額報酬は50万円なので、30等級の行を見ます。
標準報酬に協会けんぽ都道府県単位保険料率表の該当する都道府県の料率を乗じて保険料の金額計算します。
なお従業員負担分は、1/2相当額になります。
東京都の場合、次のとおりです。
500,000×94.8/1000×1/2=23,700
年金報酬 | 月額 | 報酬月額 | 一般被保険者 | |
以上~未満 | 厚生年金保険率 | |||
16.412% | ||||
金額 | 折半額 | |||
25 | 470,000 | 455,000~485,000 | 77,136.40 | 38,568.20 |
26 | 500,000 | 485,000~515,000 | 82,060.00 | 41,030.00 |
27 | 530,000 | 515,000~545,000 | 86,983.60 | 43,491.80 |
Aさんの標準的月額報酬は、50万円なので、26等級の行をみます。
26等級の行の被保険者負担額をみます。この41,030円が給料から控除する金額です。
※注意事項
- 社会保険の一般的事項について説明しました。詳しくはパンフレット等を参照してください。
- 給料金額に2等級以上の大幅な変動があった場合、月額変更届を提出し、標準報酬月額は変更されますので注意してください。
- 端数処理は50銭以下切り捨てて、50銭超は切り上げる。
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改正電子帳簿保存法は2022年1月に施行
電子帳簿保存法とは、国税に関する帳簿や書類(国税関連帳簿書類)を電磁的記録(電子データ)等により、保存する時の方法について定めた法律です。
令和3年度税制改正では、電子帳簿保存法の大幅見直しが行われました。
事前申請の廃止やタイムスタンプ要件の見直し等の要件緩和が実施されるだけでなく、令和4年1月1日以後、電子取引は電子による保存が義務化となりました。これは、事業規模に係わらず企業・個人事業主が対象となります。
対応すべき範囲は想像以上に広く、早急な対策が必要です。
2023年(令和5年)12月31日までの2年間は、一定の要件下で引き続き電子取引を紙で保存することができるように経過措置を講ずるとのことです。
- 当該電子取引の取引情報を、電子帳簿保存法第7条が定める保存要件に従って保存をすることができなかったことについて、やむを得ない事情があると認められること
そして - 出力書面によって適切に保存していること(質問検査権に基づく書面の提示または提出の求めに応じられるようにしていること)
参考:起業したらまっさきに読む経理の本(笠原清明著)
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