出張旅費規程に日当を定め損金する

出張に関する支出には、交通費、宿泊費などがありますが、出張旅費規程に日当などを定めていると、これら実費に加えて、日当なども法人の損金にすることができます。また、受け取る個人の側からみると、日当などは給与ではなく非課税所得となります。個人に対する給与にならないということは、社会保険料の負担も増加しません。さらに国内出張に関する手当は、消費税の課税取引なので、仕入税額控除の対象となります。まさに、法人と個人どちらにも嬉しい制度です。
なお、日当の目的は、「宿泊費や交通費以外にかかる食事代や少額な諸経費などを、出張の都度精算するのは煩わしいので定額で支給する」ということであり、節税のためにあるものではありません。よって、日当は同規模同業他社と同水準であることが望ましく、その他にも、全社員を対象とすることや、書類を保管しておく必要もあります。

●規程の目的と手続き方法

出張旅費規程に定めるべき内容は次の通りです。

  1. 規程の目的
    出張旅費規程の目的を定めます。「役員または社員が業務により出張する場合の手続及び旅費に関して定める」といった文章が一般的です。
  2. 適用範囲
    全社員か対象になります。もし役員を別規程にする場合には、その旨を記載します。
  3. 出張の定義
    出張の定義を定めます。移動距離が片道100キロを超えるものを出張と定義している会社が多いようです。また距離によって遠出張や近出張などを定めることもできます。
  4. 旅費の種類と金額
    交通費、宿泊費、日当などの金額をそれぞれ定めます。交通費は実費精算です。宿泊費は一般的には実費精算ですが、定額支給とすることもできます。日当は宿泊の有無や距離で区別できるほか、長期の出張については減額することも可能です。いずれも、社長や役員、役職者、一般社員などの役職に応じて差をつけることができます。
    これらのほかに、出張時の食費に対する手当を支給する会社もあります。
  5. 手続き方法
    出張申請書や出張報告書などの提出に関する手続き方法や必要な添付書類、提出期限などを定めます。
●領収書確認の手間も省ける

出張旅費規程を定めると、節税効果だけでなく事務処理の効率化も図れます。所定の様式に必要な情報かまとまるため、処理しやすいほか、宿泊費を定額支給にすれば宿泊費の領収書を確認する必要もなくなります。

出張旅費規程を定めるメリット

▼会社側

  • 交通費、宿泊費などの実費に加えて、出張日当も損金となる
  • 国内出張の日当は、消費税課税取引となる(仕入税額控除の対象となる)
  • 出張に係る事務処理の効率化が図れる
  • 出張日当について、社会保険料の負担が増えない

▼労働者側

  • 出張日当は、所得税と住民税の課税対象とならない
  • 出張日当について、社会保険料の負担が増えない

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インボイス制度(適格請求書等保存方式)2023年10月1日開始

令和5年(2023年)10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が開始されます。適格請求書(インボイス)を発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られ、この「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。

  • 適格請求書(インボイス)とは
    売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。
    具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータをいいます。
  • インボイス制度とは
    <売手側>
     売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります)。
    <買手側>
     買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイス(※)の保存等が必要となります。
    ※買手は、自らが作成した仕入明細書等のうち、一定の事項(インボイスに記載が必要な事項)が記載され取引相手の確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除の適用を受けることもできます。

■参考書籍■
【新版】本当使える節税の本(社長、そんな節税ではあとがコワイです!)
冨田健太郎/葛西安寿 箸
株式会社自由国民社 発行

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吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

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