海外との取引等の注意事項

国内に子会社がある場合、親会社の所得と子会社の所得を合算することは、グループ通算制度を選択しない限りありません。子会社であっても別会社なので、会社単位で納税をすることになります。仮に親会社が子会社に所得を付け替えたとしても、親会社の税金が減って子会社の税金が増えることになるので、全体でみると影響はありません(寄附金として取り扱われる可能性もあります)。

●海外との取引等には注意が必要

しかし、海外子会社の場合、そうはいきません。日本法人が海外子会社に利益を付け替えた場合、日本法人の税金が減り海外子会社の税金は増えることとなり、日本の税収が少なくなってしまうためです。
ケイマン諸島やバミューダ諸島では、法人税自体が存在しないため、税率0%が可能になります。日本であれば最大で約33%の法人税等が課せられるので、天と地ほどの差が生ずることになります。こういった国または地域に法人を設立して所得を付け替えることによって、結果として日本の法人税を減らすことができてしまうのです。
その対策として設けられている制度が「タックスへイブン対策税制」です。この税制の適用を受けると、海外子会社の所得の全部または一部を日本法人の所得として取り扱います。そうすると、付け替えた分の所得が戻ってくることになり、税収減を防ぐことができます。安易に「税率が低いから」といって海外法人を設立し、そこに所得を付け替えたとしても、結局は日本法人の所得とみなされてしまうので、注意が必要です。
ただし、当該国または地域でビジネスをする経済的合理性がある場合は、タックスへイブン対策税制の適用を受けません(部分的に受けるケースもあります)。あくまで、税金逃れのために海外子会社を設立した場合に適用される規定といえます。
また、海外関連企業に通常よりも安い価格で商品を卸したり、逆に海外関連企業から高い価格で商品を購入したような場合、適正な金額との差額を日本法人に加算する「移転価格税制」と呼ばれる税制もあり、国内における子会社間の取引よりも厳しく取引価格をチェックされます。移転価格税制により否認された金額は、加算社外流出項目として取り戻すことができなくなってしまうので、十分に注意して取引価格を決定しましょう。

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インボイス制度(適格請求書等保存方式)2023年10月1日開始

令和5年(2023年)10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が開始されます。適格請求書(インボイス)を発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られ、この「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。

  • 適格請求書(インボイス)とは
    売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。
    具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータをいいます。
  • インボイス制度とは
    <売手側>
     売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります)。
    <買手側>
     買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイス(※)の保存等が必要となります。
    ※買手は、自らが作成した仕入明細書等のうち、一定の事項(インボイスに記載が必要な事項)が記載され取引相手の確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除の適用を受けることもできます。

■参考書籍■
【新版】本当使える節税の本(社長、そんな節税ではあとがコワイです!)
冨田健太郎/葛西安寿 箸
株式会社自由国民社 発行

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営業時間 : 9:30〜18:00《土日祝休日》

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

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