仕訳伝票の付け方②

仕訳は会社で行われた取引を簿記の考え方に従った形式に書き換える作業です。簿記の考え方に従って書き換えるためには、借方、貸方、勘定科目、資産、負債…など、簿記特有の専門用語の意味を理解しなければなりません。
今回は会計ソフトなどを使った帳簿付けに必要とされる簿記の考え方に絞ってご紹介します。

STEP 3

補助簿の内容を簿記の言葉で表現する

簿記では取引を資産や負債、資本の増減、収益と費用の発生という形で表現します。
例えば「書店で経理の本を1,500円で購入した」という取引を簿記の言葉で表現すると、本を買うために現金を支払った、つまり「現金が減少し費用が発生した」ということになります。
実際に起こりえる支払いや取引を、現金出納帳・現金出納帳・得意先元帳・仕入先元帳で、どのように変換し記帳したら良いか見てみましょう。

▼現金出納帳の内容の場合

普通預金から現金5万円を引き出した普通預金が減って現金が増えた

資産(現金)が増加し、資産(普通預金)が減少した
電車賃380円支払った電車賃を支払い現金が減った

資産(現金)が減少し、費用(交通費)が増加した
経理の書籍を1,500円で購入した書籍代を支払い現金が減った

資産(現金)が減少し、費用(新聞図書費)が増加した

▼現金出納帳の内容の場合

資本金の20万円を通帳に預け入れた出資金を受け入れ普通預金が増えた

資産(普通預金)が増加し、資本(資本金)も増加した
普通預金から現金5万円を引き出した普通預金が減って現金が増えた

資産(現金)が増加し、資産(普通預金)が減少した
得意先から売り上げ代金50万円が振り込まれた得意先に請求する権利が減って普通預金が増えた

資産(普通預金)が増加し、資産(売掛金)が減少した
仕入先へ仕入れ代金30万円を振り込んだ仕入先に支払う義務が減って普通預金も減った

資産(普通預金)が減少し、負債(買掛金)も減少した

▼得意先元帳の内容の場合

得意先へL型パソコン10台売り上げた売上が上がり得意先に請求する権利が増えた

資産(売掛金)が増加し、収益(売上高)も増加した
普通預金に売上代金50万円が振り込まれた得意先に請求する権利が減って普通預金が増えた

資産(普通預金)が増加し、資産(売掛金)が減少した

▼仕入先元帳の内容の場合

仕入先からL型パソコン10台仕入れた商品の仕入れをし仕入先へ支払う義務が増えた

負債(買掛金)が増加し、費用(仕入高)も増加した
普通預金から仕入代金30万円を振り込んだ仕入先に支払う義務が減って普通預金も減った

資産(普通預金)が減少し、負債(買掛金)も減少した

当事務所では、会計ソフトの導入支援を行っています。
会計ソフトで入力なんて不安と思われる方もいらっしゃると思いますが当事務所でしっかりとサポートしますので安心してください。
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改正電子帳簿保存法は2022年1月に施行

電子帳簿保存法とは、国税に関する帳簿や書類(国税関連帳簿書類)を電磁的記録(電子データ)等により、保存する時の方法について定めた法律です。

令和3年度税制改正では、電子帳簿保存法の大幅見直しが行われました。
事前申請の廃止やタイムスタンプ要件の見直し等の要件緩和が実施されるだけでなく、令和4年1月1日以後、電子取引は電子による保存が義務化となりました。これは、事業規模に係わらず企業・個人事業主が対象となります。
対応すべき範囲は想像以上に広く、早急な対策が必要です。

2021年12月10日、令和4年度税制改正大綱において、2022年1月1日に施行される改正電子帳簿保存法で「電子取引の取引情報に係る電磁的記録(PDFファイル等)」の出力書面による保存が認められないこととなっていた取り扱いを緩和する方針が示されました。
2023年(令和5年)12月31日までの2年間は、一定の要件下で引き続き電子取引を紙で保存することができるように経過措置を講ずるとのことです。
なお、一定の要件下とは、
  • 当該電子取引の取引情報を、電子帳簿保存法第7条が定める保存要件に従って保存をすることができなかったことについて、やむを得ない事情があると認められること
    そして
  • 出力書面によって適切に保存していること(質問検査権に基づく書面の提示または提出の求めに応じられるようにしていること)
とされています。

参考:起業したらまっさきに読む経理の本(笠原清明著)
   株式会社インプレスコミュニケーションズ

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