仕訳伝票の付け方③

仕訳は会社で行われた取引を簿記の考え方に従った形式に書き換える作業です。簿記の考え方に従って書き換えるためには、借方、貸方、勘定科目、資産、負債…など、簿記特有の専門用語の意味を理解しなければなりません。
今回は会計ソフトなどを使った帳簿付けに必要とされる簿記の考え方に絞ってご紹介します。

STEP 4

仕訳伝票のフォームと勘定科目、借方、貸方という簿記の専門用語について見ていくことにしましょう。
簿記では、取引を仕訳という形式で記録をします。仕訳は、取引を原因と結果という2つの側面に区分して記録する、簿記独特の方法です。借方は、仕訳の左側の記録場所です。貸方は仕訳の右側の記録場所です。借方、貸方の定義は、さまざまな簿記の教科書で解説されていますが、解説の内容はたいへん難解で、結局のところ仕訳の左側が借方、右側が貸方という結論になります。ですから理屈抜きで仕訳の左側が借方、右側が貸方と覚えてしまってください。
資産と費用は「借方」に分類される項目です。これらの項目が増加した場合は、「借方」に記入し、減少した場合は「貸方」に記入します。
一方、負債・資本・収益は「貸方」に分類される項目です。これらの項目が増加した場合は、「貸方」に記入し、減少した場合は「借方」に記入します。
仕訳を記入するフォームが仕訳伝票です。左側に借方の勘定科目と金額、右側に貸方の勘定科目と金額を記人するようになっています。

STEP 5

取引が資産や負債などの増減に置き換えてあるので、もう取引を仕訳することができるはすです。さっそく取引事例を仕訳してみましょう。
はじめての方は、現金や預金を受け取ったら左側(借方)、支払ったら右側(貸方)に書くことを覚えてしまいましょう。ほとんどの取引は、現金と預金の受取りと支払いに関連していますので、これを覚えればほとんどの仕訳はできるということになります。

▼資本金の20万円を普通預金に預け入れた
資産(普通預金)が増加した
資本(資本金)が増加した
(借方)
普通預金200,000
(貸方)
資本金200,000
▼普通預金から現金5万円を引き出した
資産(現金)が増加した
資産(普通預金)が減少した
(借方)
現金50,000
(貸方)
普通預金50,000
▼L型PC10台(@3万円)を仕入れた
費用(仕入高)が発生した
負債(買掛金)が増加した
(借方)
仕入高300,000
(貸方)
普通預金300,000
▼L型PC10台(@5万円)を売り上げた
資産(売掛金)が増加した
収益(売上高)が発生した
(借方)
売掛金500,000
(貸方)
売上高500,000
借方摘要貸方
勘定科目金額勘定科目金額
現金50,000普通預金から現金引き出し普通預金50,000
普通預金200,000資本金を普通預金に預け入れ現金200,000
売掛金500,000L型PC掛け売り売上高500,000
仕入高300,000L型PC掛仕入買掛金300,000
     
合計1,050,000 合計1,050,000

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改正電子帳簿保存法は2022年1月に施行

電子帳簿保存法とは、国税に関する帳簿や書類(国税関連帳簿書類)を電磁的記録(電子データ)等により、保存する時の方法について定めた法律です。

令和3年度税制改正では、電子帳簿保存法の大幅見直しが行われました。
事前申請の廃止やタイムスタンプ要件の見直し等の要件緩和が実施されるだけでなく、令和4年1月1日以後、電子取引は電子による保存が義務化となりました。これは、事業規模に係わらず企業・個人事業主が対象となります。
対応すべき範囲は想像以上に広く、早急な対策が必要です。

2021年12月10日、令和4年度税制改正大綱において、2022年1月1日に施行される改正電子帳簿保存法で「電子取引の取引情報に係る電磁的記録(PDFファイル等)」の出力書面による保存が認められないこととなっていた取り扱いを緩和する方針が示されました。
2023年(令和5年)12月31日までの2年間は、一定の要件下で引き続き電子取引を紙で保存することができるように経過措置を講ずるとのことです。
なお、一定の要件下とは、
  • 当該電子取引の取引情報を、電子帳簿保存法第7条が定める保存要件に従って保存をすることができなかったことについて、やむを得ない事情があると認められること
    そして
  • 出力書面によって適切に保存していること(質問検査権に基づく書面の提示または提出の求めに応じられるようにしていること)
とされています。

参考:起業したらまっさきに読む経理の本(笠原清明著)
   株式会社インプレスコミュニケーションズ

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