会社設立後の経理では、売上管理だけでなく、仕入先や外注先への支払管理も重要です。請求書の確認不足や支払期日の遅れは、資金繰りや取引先との信頼関係に影響する場合があります。今回は、経理体制を整えるための支払管理のポイントをわかりやすく解説します。
- 請求書を受け取ったら、請求元、請求日、支払期限、請求金額、消費税、振込先口座などを確認することが大切です。内容に誤りがあると、過払いなどにつながる場合があります。
- 発注書、契約書、納品書、検収記録などと照合し、実際の取引内容と請求内容が一致しているか確認します。特に外注費や仕入高は、経理処理にも影響します。
- インボイス制度に対応した取引では、登録番号や適用税率、税額などの記載内容の確認が必要になる場合があります。仕入税額控除への影響も考慮して管理します。
▼税理士のアドバイス
請求書の確認は、単なる支払前の事務作業ではなく、経理の正確性を保つ重要な手続きです。会社設立直後は担当者任せにせず、誰が確認し、誰が承認するかを決めておくと、支払ミスや税務上の確認漏れを防ぎやすくなります。
- 支払期日を守ることは、取引先との信頼関係を維持するうえで重要です。支払遅延が続くと、取引条件の見直しや新規取引の停止につながる場合があります。
- 月末や翌月末など、支払日が集中する場合は、事前に資金繰りを確認しておく必要があります。売上入金の時期と支払予定を照らし合わせることが大切です。
- 振込予約や支払予定表を活用すると、支払漏れを防ぎやすくなります。経理担当者が不在でも対応できるよう、社内ルールを整備しておくと安心です。
▼税理士のアドバイス
支払期日の管理は、資金繰り管理と一体で考えることが重要です。月次決算や月次報告を行うことで、今後の支払予定と預金残高を把握しやすくなります。顧問税理士と支払予定を共有すれば、納税資金や融資相談の検討にも役立ちます。
- 新しい取引を始める際は、支払条件を事前に明確にしておくことが重要です。締日、支払日、支払方法、振込手数料の負担などを確認しておきます。
- 口頭だけの取り決めでは、後から認識の違いが生じる場合があります。見積書、契約書、発注書、メールなど、確認できる形で条件を残しておくことが大切です。
- 会社設立直後は、取引先ごとに支払条件が異なることも多くあります。経理処理を円滑にするため、取引開始時に情報を整理しておく必要があります。
▼税理士のアドバイス
取引開始時の取り決めが曖昧だと、支払トラブルだけでなく、経理処理や決算申告時の確認にも時間がかかります。契約内容によっては、源泉所得税や消費税の確認が必要な場合もあるため、外注契約や業務委託契約は早めに税理士へ相談すると安心です。
- 取引先ごとの未払金や買掛金を管理することで、どの会社にいくら支払うべきかを正確に把握できます。残高管理が不十分だと、二重払いの原因になる場合があります。
- 会計ソフトを活用すると、取引先別の支払状況や未払残高を確認しやすくなります。記帳代行や自計化支援を利用することで、管理体制を整えやすくなります。
- 決算時には、未払金や買掛金の残高が正しいか確認する必要があります。請求書や支払明細と照合し、計上漏れや過大計上がないか確認します。
▼税理士のアドバイス
取引先ごとの残高管理は、経理の正確性だけでなく、決算申告や税務調査対応にも関係します。月次で残高を確認しておけば、決算直前に慌てることを防ぎやすくなります。会計ソフト導入支援や記帳代行を活用することも有効です。
- 支払業務では、請求書の保管方法も重要です。電子データで受領した請求書や紙の請求書については、保存方法や社内での管理ルールを確認しておく必要があります。
- 支払承認のルールを決めておくと、不正支出や確認漏れを防ぎやすくなります。金額に応じて承認者を分けるなど、会社の規模に合った仕組みが大切です。
- 給与計算、社会保険料、税金の納付なども支払管理の一部です。仕入先への支払いだけでなく、納税資金や人件費も含めて予定を把握する必要があります。
▼税理士のアドバイス
支払管理は、経理業務全体の土台となる実務です。会社設立後は、会計ソフト、記帳代行、給与計算業務、月次決算などを組み合わせることで、支払予定と資金繰りを把握しやすくなります。早い段階で経理体制を整えることが大切です。
■参考書籍■
【独立希望者必見】面白いほど理解できる(税理士が教える)起業・会社経営Q&A
酒井敏行/松本有史/箕輪俊之/岩木功 箸
TAC株式会社出版事業部 発行
当事務所では、会計ソフトの導入支援を行っています。
会計ソフトで入力なんて不安と思われる方もいらっしゃると思いますが当事務所でしっかりとサポートしますので安心してください。
実際会計ソフトを導入された方のほとんどが、ソフトを導入して良かったとおっしゃっています。
定額減税と確定申告
令和6年度税制改正に伴い、令和6年分所得税について定額による所得税額の特別控除(定額減税)が実施されることとなりました。
定額減税の概要は以下のとおりです。
詳しくは、国税庁の定額減税についてのページをご覧ください。
- 定額減税の対象となる方
定額減税の対象者は、令和6年分所得税の納税者である居住者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下である方(給与収入のみの方の場合、給与収入が2,000万円以下(注)である方)です。
(注) 子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用を受ける方は、2,015万円以下となります。 - 定額減税額(令和6年分特別税額控除の額)
特別控除の額は、次の金額の合計額です。
ただし、その合計額がその人の所得税額を超える場合には、控除される金額は、その所得税額が限度となります。
| 所得税 | 個人住民税 | |
| 本人分 | 3万円 | 1万円 |
| 同一生計配偶者又は扶養親族 | 1人につき3万円 | 1人につき1万円 |
詳しくは、国税庁の定額減税と確定申告ページをご覧ください。
特別控除は、所得の種類によって、次の方法により実施されます。
- 給与所得者に係る特別控除
令和6年6月1日以後最初に支払われる給与等(賞与を含むものとし、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している勤務先から支払われる給与等に限ります。)につき源泉徴収をされるべき所得税及び復興特別所得税(以下「所得税等」といいます。)の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる給与等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
なお、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合は、年末調整により調整することとなります。
また、次の1~3に該当する場合などは、令和6年分の確定申告において最終的な特別控除の額を計算の上、納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することとなります。- 主たる給与の支払者からの給与収入が2,000万円を超えるとき
- 年の途中で退職し、給与等に係る源泉徴収について特別控除の額の控除が行われていない(又は控除しきれない額がある)とき
- 年末調整において、所得税額から特別控除の額を控除した際、控除しきれない額が生じる場合(特別控除の額が所得税額を上回る場合)において、次に該当するとき
- 給与所得以外の所得があるとき
- 退職所得に係る源泉徴収税額があるとき
- 2か所以上から給与の支払を受けているとき
- 公的年金等の受給者に係る特別控除
令和6年6月1日以後最初に厚生労働大臣等から支払われる公的年金等(確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける年金等を除きます。)につき源泉徴収をされるべき所得税等の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる公的年金等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
なお、「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合(例えば、令和6年中に扶養親族の人数が増加した場合など)は、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)において、最終的な特別控除の額を計算の上、納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することとなります。
※給与と公的年金等に係る両方の所得を有する方は、還付申告となる場合や年金所得者に係る申告不要制度(注)の適用がある場合で確定申告をしないときを除き、確定申告において、所得税額から最終的な特別控除の額や源泉徴収税額等を差し引いて納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することになります。
(注)年金所得者の申告不要制度…次のいずれにも該当する場合に、計算の結果、納税額がある場合でも、所得税等の確定申告は必要ありません。(注1・2)- 公的年金等の収入金額が400万円以下(注3・4)
- 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下
(注1)所得税等の確定申告が必要ない場合でも、住民税の申告が必要な場合があります。詳しくは、お住まいの市区町村の窓口にお尋ねください。(注2)所得税等の確定申告が必要ない場合でも、一定の要件に該当する場合には、還付を受けるための申告(還付申告)を行うことで税金が還付されます。
(注3)源泉徴収を要しない公的年金等の規定(所得税法第203条の7)の適用を受けるものを除きます。
(注4)一定の外国年金が国外で支払われる場合などには、源泉徴収の対象となりません。
- 事業所得者等に係る特別控除
原則として、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)の際に所得税の額から特別控除の額が控除されます。
予定納税の対象となる方については、確定申告での控除を待たずに、令和6年6月以後に通知される、令和6年分の所得税に係る第1期分予定納税額(7月)(注)から本人分に係る特別控除の額に相当する金額が控除されます。
なお、同一生計配偶者または扶養親族に係る特別控除の額に相当する金額については、予定納税額の減額申請の手続により特別控除の額を控除することができ、第1期分予定納税額から控除しきれなかった場合には、控除しきれない部分の金額を第2期分予定納税額(11月)から控除します。
また、確定申告による精算に関する情報は、随時国税庁ホームページにて更新を行っていきます。
(注)特別農業所得者(農業所得の金額に係る一定の要件を満たすものとして申告等をしている方)については、第2期分予定納税額(11月)となります。
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吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。
