社内に現金を置かない方法

近年では、会社設立時から「会社内に現金を置かない」キャッシュレス会計を導入する企業が増えています。現金管理を減らすことで、経理業務の効率化や不正防止、経費削減など多くのメリットがあります。一方で、運用ルールを整備しないとトラブルにつながる場合もあります。今回は、起業時に知っておきたいキャッシュレス会計の仕組みや注意点について、税理士の視点から解説します。

キャッシュレス会計のメリット
  • 現金を管理する必要が減ることで、レジ締めや現金確認などの作業時間を削減できます。経理担当者の負担軽減につながり、少人数で運営する起業初期の企業でも効率的な管理が可能になります。
  • 現金の紛失や横領などの不正リスクを軽減できる点も大きなメリットです。入出金履歴がデータとして残るため、誰がいつ利用したのか確認しやすく、内部統制の強化にも役立ちます。
  • 銀行振込やクレジットカード、電子決済を活用することで、現金輸送や小口現金管理に関するコスト削減が可能です。経費精算システムと連携すれば、会計処理の自動化も進められます。

▼税理士のアドバイス
会社設立直後は人員不足になりやすく、経理業務に多くの時間を割けない企業が少なくありません。キャッシュレス会計を導入することで、記帳ミスや現金管理負担を減らし、本業へ集中しやすい環境を整えることが重要です。また、クラウド会計との連携により、税理士との情報共有もスムーズになります。

キャッシュレス会計のデメリット
  • クレジットカードや電子決済を多用すると、利用履歴の確認を怠った場合に不適切な支出を見逃す可能性があります。定期的な利用明細の確認と承認フローの整備が必要です。
  • システム障害や通信トラブルが発生すると、一時的に決済や確認作業ができなくなる場合があります。特にインターネット環境に依存するため、バックアップ体制も重要になります。
  • キャッシュレス決済には振込手数料や決済手数料が発生するケースがあります。導入サービスによってコストが異なるため、企業規模に合ったサービス選定が必要になります。

▼税理士のアドバイス
キャッシュレス会計は便利な反面、「管理ルール」が曖昧だと経費の私的利用や証憑不足につながる可能性があります。会社設立時から、利用可能な決済方法や承認ルールを明文化し、証憑保存の運用を統一しておくことが大切です。

キャッシュレス会計の具体的な仕組み

①社員による立て替え

  • 社員が業務上必要な備品や交通費を一時的に立て替え、後日会社へ請求する方法です。会社側は現金を保管する必要がなく、銀行口座や会計ソフトで支出管理を行えます。
  • 社員個人のクレジットカードや電子マネーを利用することで、利用履歴がデータ化されます。領収書と合わせて管理することで、経費内容の確認がしやすくなります。

▼税理士のアドバイス
立て替え払いは便利ですが、精算期間が長くなると社員負担が大きくなります。起業初期の企業では、月次締めや週次精算などルールを明確にし、従業員とのトラブル防止を意識することが重要です。

②立て替え精算書の提出

  • 社員は利用した経費の内容を立て替え精算書へ記載し、領収書や利用明細を添付して会社へ提出します。経費内容を可視化することで、不正防止や会計処理の正確性向上につながります。
  • 最近ではクラウド型経費精算システムを利用し、スマートフォンで領収書を撮影して申請する企業も増えています。紙管理を減らし、経理業務の効率化が可能になります。

▼税理士のアドバイス
経費精算書には「利用日」「内容」「金額」「目的」を明記し、証憑保存を徹底することが重要です。税務調査では経費の実態確認が行われるため、会社設立時から運用ルールを整備しておくことをおすすめします。

③預金口座に振り込み

  • 会社は承認済みの立て替え精算書をもとに、社員の預金口座へ経費を振り込みます。現金手渡しをなくすことで、支払い履歴を明確に残せる点が特徴です。
  • インターネットバンキングを利用すれば、給与振込と合わせて経費精算を行うことも可能です。振込履歴が残るため、会計処理や監査対応もスムーズになります。

▼税理士のアドバイス
振込による精算は履歴管理がしやすく、税務上も透明性の高い方法です。会社設立後は法人口座を早めに準備し、経費・売上・給与などの資金管理を明確に分けることが健全な経営につながります。

その他ポイント
  • 会社設立時から法人クレジットカードやクラウド会計を導入すると、経費管理や資金繰りを一元管理しやすくなります。特に起業初期は、資金の流れを可視化することが重要です。
  • キャッシュレス化を進める際は、社内ルールや承認フローを明確にし、利用範囲を定める必要があります。ルール整備により、経理処理の混乱や不正防止につながります。

▼税理士のアドバイス
起業時は「売上を増やすこと」に意識が向きがちですが、資金管理体制の整備も同じくらい重要です。会社設立の段階からキャッシュレス会計を導入することで、経営数字を把握しやすくなり、将来的な融資や資金調達にも良い影響を与えます。

■参考書籍■
【独立希望者必見】面白いほど理解できる(税理士が教える)起業・会社経営Q&A
酒井敏行/松本有史/箕輪俊之/岩木功 箸
TAC株式会社出版事業部 発行

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定額減税と確定申告

令和6年度税制改正に伴い、令和6年分所得税について定額による所得税額の特別控除(定額減税)が実施されることとなりました。
定額減税の概要は以下のとおりです。
詳しくは、国税庁の定額減税についてのページをご覧ください。

  • 定額減税の対象となる方
    定額減税の対象者は、令和6年分所得税の納税者である居住者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下である方(給与収入のみの方の場合、給与収入が2,000万円以下(注)である方)です。
    (注) 子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用を受ける方は、2,015万円以下となります。
  • 定額減税額(令和6年分特別税額控除の額)
    特別控除の額は、次の金額の合計額です。
    ただし、その合計額がその人の所得税額を超える場合には、控除される金額は、その所得税額が限度となります。
 所得税個人住民税
本人分3万円1万円
同一生計配偶者又は扶養親族1人につき3万円1人につき1万円

詳しくは、国税庁の定額減税と確定申告ページをご覧ください。

●定額減税の実施方法

特別控除は、所得の種類によって、次の方法により実施されます。

  1. 給与所得者に係る特別控除
    令和6年6月1日以後最初に支払われる給与等(賞与を含むものとし、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している勤務先から支払われる給与等に限ります。)につき源泉徴収をされるべき所得税及び復興特別所得税(以下「所得税等」といいます。)の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる給与等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
    なお、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合は、年末調整により調整することとなります。
    また、次の1~3に該当する場合などは、令和6年分の確定申告において最終的な特別控除の額を計算の上、納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することとなります。
    1. 主たる給与の支払者からの給与収入が2,000万円を超えるとき
    2. 年の途中で退職し、給与等に係る源泉徴収について特別控除の額の控除が行われていない(又は控除しきれない額がある)とき
    3. 年末調整において、所得税額から特別控除の額を控除した際、控除しきれない額が生じる場合(特別控除の額が所得税額を上回る場合)において、次に該当するとき
      • 給与所得以外の所得があるとき
      • 退職所得に係る源泉徴収税額があるとき
      • 2か所以上から給与の支払を受けているとき
  2. 公的年金等の受給者に係る特別控除
    令和6年6月1日以後最初に厚生労働大臣等から支払われる公的年金等(確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける年金等を除きます。)につき源泉徴収をされるべき所得税等の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる公的年金等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
    なお、「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合(例えば、令和6年中に扶養親族の人数が増加した場合など)は、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)において、最終的な特別控除の額を計算の上、納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することとなります。
    ※給与と公的年金等に係る両方の所得を有する方は、還付申告となる場合や年金所得者に係る申告不要制度(注)の適用がある場合で確定申告をしないときを除き、確定申告において、所得税額から最終的な特別控除の額や源泉徴収税額等を差し引いて納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することになります。
    (注)年金所得者の申告不要制度…次のいずれにも該当する場合に、計算の結果、納税額がある場合でも、所得税等の確定申告は必要ありません。(注1・2)
    1. 公的年金等の収入金額が400万円以下(注3・4)
    2. 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下
      (注1)所得税等の確定申告が必要ない場合でも、住民税の申告が必要な場合があります。詳しくは、お住まいの市区町村の窓口にお尋ねください。

      (注2)所得税等の確定申告が必要ない場合でも、一定の要件に該当する場合には、還付を受けるための申告(還付申告)を行うことで税金が還付されます。

      (注3)源泉徴収を要しない公的年金等の規定(所得税法第203条の7)の適用を受けるものを除きます。

      (注4)一定の外国年金が国外で支払われる場合などには、源泉徴収の対象となりません。

  3. 事業所得者等に係る特別控除
    原則として、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)の際に所得税の額から特別控除の額が控除されます。
    予定納税の対象となる方については、確定申告での控除を待たずに、令和6年6月以後に通知される、令和6年分の所得税に係る第1期分予定納税額(7月)(注)から本人分に係る特別控除の額に相当する金額が控除されます。
    なお、同一生計配偶者または扶養親族に係る特別控除の額に相当する金額については、予定納税額の減額申請の手続により特別控除の額を控除することができ、第1期分予定納税額から控除しきれなかった場合には、控除しきれない部分の金額を第2期分予定納税額(11月)から控除します。
    また、確定申告による精算に関する情報は、随時国税庁ホームページにて更新を行っていきます。
    (注)特別農業所得者(農業所得の金額に係る一定の要件を満たすものとして申告等をしている方)については、第2期分予定納税額(11月)となります。

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吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

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