手形とは何か

手形は、企業間取引で代金の支払いを一定期間先に延ばすために使われてきた決済手段です。会社経営では、売上代金の回収、仕入代金の支払い、資金繰りに大きく関わります。近年は電子化や利用見直しも進んでいるため、基本的な仕組みと実務上の注意点を理解しておくことが大切です。

手形とは
  • 手形とは、一定の期日に一定の金額を支払うことを約束した有価証券です。企業間取引では、商品やサービスの代金を後日支払う手段として利用されてきました。
  • 代表的なものに約束手形があり、振出人が受取人に対して、支払期日に所定の金額を支払うことを約束します。会社経営では信用取引の一つとして扱われます。
  • 手形は現金払いと異なり、実際に資金化されるまで期間があります。そのため、売上計上と入金時期に差が生じ、資金繰り管理が重要になります。

▼税理士のアドバイス
手形取引では、売上が発生していてもすぐに現金化されるわけではありません。月次決算や資金繰り表で入金予定を管理し、法人税・消費税の納税資金や仕入代金の支払いに支障が出ないよう確認することが大切です。

手形発行に必要な手続き
  • 手形を発行するには、金融機関で当座預金口座を開設し、手形帳の交付を受けることが一般的です。金融機関の審査があるため、誰でもすぐに発行できるわけではありません。
  • 手形には、金額、支払期日、支払地、受取人、振出日、振出人などを正確に記載する必要があります。記載誤りは取引先とのトラブルにつながる場合があります。
  • 2027年3月末までに紙の手形・小切手の交換廃止が予定されており、でんさい(電子記録債権)や振込への移行検討も重要です。

▼税理士のアドバイス
手形を発行する企業は、支払期日に確実に資金を用意できる管理体制が必要です。会計ソフトや月次報告を活用し、支払予定、借入返済、納税予定を一覧化することで、不測の資金不足を予防しやすくなります。

手形の不渡り
  • 手形の不渡りとは、支払期日に決済資金が不足するなどの理由で、手形金額が支払われない状態をいいます。企業の信用に大きな影響を与える重大な事態です。
  • 不渡りが発生すると、取引先や金融機関からの信用が低下し、仕入条件の悪化や融資審査への影響が生じる場合があります。早期の資金繰り確認が欠かせません。
  • 一度の不渡りでも信用不安につながるため、会社経営では支払期日ごとの資金残高を確認し、必要に応じて金融機関への相談や資金調達を検討することが大切です。

▼税理士のアドバイス
不渡りは決算書上の問題だけでなく、企業の継続性にも関わります。月次決算を行い、売掛金・受取手形・支払手形・借入金の動きを早めに把握することで、資金ショートの兆候を事前に確認できます。

手形の取立依頼
  • 受け取った手形は、支払期日に自動的に入金されるわけではなく、通常は取引金融機関に取立依頼を行います。期日管理を怠ると資金化が遅れる場合があります。
  • 取立依頼では、手形の支払期日や金融機関ごとの受付期限を確認する必要があります。余裕をもって手続きを行うことで、入金遅れのリスクを抑えられます。
  • 受取手形が多い企業では、取立予定を一覧管理し、売掛金の入金予定と合わせて資金繰り表に反映することが重要です。経理体制の整備が会社経営を支えます。

▼税理士のアドバイス
取立依頼の漏れは、資金繰りだけでなく経理処理にも影響します。記帳代行や自計化支援を活用し、受取手形の残高、期日、取立状況を月次で確認できる仕組みを整えることが望ましいです。

手形の割引
  • 手形の割引とは、支払期日前の手形を金融機関などに買い取ってもらい、手数料や利息相当額を差し引いた金額を資金化する方法です。短期資金調達として利用されます。
  • 手形割引を利用すると、期日前に現金を得られる一方で、割引料が発生します。また、手形が不渡りになった場合の取扱いについても事前に確認が必要です。
  • 資金繰りが厳しい場合でも、手形割引だけに頼ると将来の入金予定が減ります。借入、入金条件の見直し、経費管理などと合わせて検討することが大切です。

▼税理士のアドバイス
手形割引は便利な資金調達手段ですが、実質的な資金繰りの前倒しでもあります。月次損益と資金繰りを分けて確認し、利益が出ていても現金が不足していないかを早めに把握することが重要です。

裏書手形
  • 裏書手形とは、受け取った手形を第三者への支払いに充てるため、手形の裏面に必要事項を記載して譲渡するものです。現金を使わずに支払いに利用できます。
  • 裏書を行うと、手形が不渡りになった場合に裏書人として責任を負う可能性があります。単なる譲渡ではなく、信用リスクを伴う点に注意が必要です。
  • 裏書手形を受け取る側も、振出人だけでなく裏書人の信用状況を確認することが大切です。取引先の支払能力を把握することがリスク管理につながります。

▼税理士のアドバイス
裏書手形は帳簿上の処理や偶発的な支払リスクの把握が重要です。決算申告時だけでなく、月次で裏書手形の残高と期日を確認し、金融機関や取引先への説明に備えておくことが望まれます。

受取手形のチェックポイント
  • 受取手形を確認する際は、金額、支払期日、振出人、受取人、押印、訂正の有無などを確認します。不備がある場合は、早めに取引先へ確認することが必要です。
  • 支払期日までの期間が長い手形は、資金繰りに負担を与える場合があります。下請取引では、手形サイトが60日を超える場合に行政指導の対象となる運用があります。
  • 受取手形は、売掛金と同じく回収管理が重要です。入金予定、割引予定、取立依頼の状況を整理し、経理担当者だけでなく経営者も確認できる体制が必要です。

▼税理士のアドバイス
受取手形の管理が曖昧だと、売上はあるのに資金が足りない状態になりやすくなります。会計ソフト導入支援や月次報告を活用し、売掛金・受取手形・現預金の流れを一体で確認することが大切です。

その他ポイント
  • 手形取引は、企業の信用を前提とした取引です。発行する側も受け取る側も、支払能力、取引条件、資金化までの期間を確認し、無理のない範囲で運用することが大切です。
  • 近年は、紙の手形から電子記録債権や銀行振込へ移行する流れがあります。金融庁も、政府方針に沿った手形・小切手機能の電子化に関する情報を公表しています。
  • 手形を利用する場合は、経理処理、消費税の課税関係、決算時の残高確認、資金繰りへの影響を整理する必要があります。個別の処理は確認が必要です。

▼税理士のアドバイス
手形取引を続ける企業は、紙の手形廃止の動きや電子化への対応も含めて、早めに社内体制を見直すことが重要です。顧問税理士と連携し、記帳、月次決算、資金調達、決算申告まで一貫して管理しましょう。

■参考書籍■
【独立希望者必見】面白いほど理解できる(税理士が教える)起業・会社経営Q&A
酒井敏行/松本有史/箕輪俊之/岩木功 箸
TAC株式会社出版事業部 発行

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定額減税と確定申告

令和6年度税制改正に伴い、令和6年分所得税について定額による所得税額の特別控除(定額減税)が実施されることとなりました。
定額減税の概要は以下のとおりです。
詳しくは、国税庁の定額減税についてのページをご覧ください。

  • 定額減税の対象となる方
    定額減税の対象者は、令和6年分所得税の納税者である居住者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下である方(給与収入のみの方の場合、給与収入が2,000万円以下(注)である方)です。
    (注) 子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用を受ける方は、2,015万円以下となります。
  • 定額減税額(令和6年分特別税額控除の額)
    特別控除の額は、次の金額の合計額です。
    ただし、その合計額がその人の所得税額を超える場合には、控除される金額は、その所得税額が限度となります。
 所得税個人住民税
本人分3万円1万円
同一生計配偶者又は扶養親族1人につき3万円1人につき1万円

詳しくは、国税庁の定額減税と確定申告ページをご覧ください。

●定額減税の実施方法

特別控除は、所得の種類によって、次の方法により実施されます。

  1. 給与所得者に係る特別控除
    令和6年6月1日以後最初に支払われる給与等(賞与を含むものとし、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している勤務先から支払われる給与等に限ります。)につき源泉徴収をされるべき所得税及び復興特別所得税(以下「所得税等」といいます。)の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる給与等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
    なお、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合は、年末調整により調整することとなります。
    また、次の1~3に該当する場合などは、令和6年分の確定申告において最終的な特別控除の額を計算の上、納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することとなります。
    1. 主たる給与の支払者からの給与収入が2,000万円を超えるとき
    2. 年の途中で退職し、給与等に係る源泉徴収について特別控除の額の控除が行われていない(又は控除しきれない額がある)とき
    3. 年末調整において、所得税額から特別控除の額を控除した際、控除しきれない額が生じる場合(特別控除の額が所得税額を上回る場合)において、次に該当するとき
      • 給与所得以外の所得があるとき
      • 退職所得に係る源泉徴収税額があるとき
      • 2か所以上から給与の支払を受けているとき
  2. 公的年金等の受給者に係る特別控除
    令和6年6月1日以後最初に厚生労働大臣等から支払われる公的年金等(確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける年金等を除きます。)につき源泉徴収をされるべき所得税等の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる公的年金等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
    なお、「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合(例えば、令和6年中に扶養親族の人数が増加した場合など)は、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)において、最終的な特別控除の額を計算の上、納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することとなります。
    ※給与と公的年金等に係る両方の所得を有する方は、還付申告となる場合や年金所得者に係る申告不要制度(注)の適用がある場合で確定申告をしないときを除き、確定申告において、所得税額から最終的な特別控除の額や源泉徴収税額等を差し引いて納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することになります。
    (注)年金所得者の申告不要制度…次のいずれにも該当する場合に、計算の結果、納税額がある場合でも、所得税等の確定申告は必要ありません。(注1・2)
    1. 公的年金等の収入金額が400万円以下(注3・4)
    2. 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下
      (注1)所得税等の確定申告が必要ない場合でも、住民税の申告が必要な場合があります。詳しくは、お住まいの市区町村の窓口にお尋ねください。

      (注2)所得税等の確定申告が必要ない場合でも、一定の要件に該当する場合には、還付を受けるための申告(還付申告)を行うことで税金が還付されます。

      (注3)源泉徴収を要しない公的年金等の規定(所得税法第203条の7)の適用を受けるものを除きます。

      (注4)一定の外国年金が国外で支払われる場合などには、源泉徴収の対象となりません。

  3. 事業所得者等に係る特別控除
    原則として、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)の際に所得税の額から特別控除の額が控除されます。
    予定納税の対象となる方については、確定申告での控除を待たずに、令和6年6月以後に通知される、令和6年分の所得税に係る第1期分予定納税額(7月)(注)から本人分に係る特別控除の額に相当する金額が控除されます。
    なお、同一生計配偶者または扶養親族に係る特別控除の額に相当する金額については、予定納税額の減額申請の手続により特別控除の額を控除することができ、第1期分予定納税額から控除しきれなかった場合には、控除しきれない部分の金額を第2期分予定納税額(11月)から控除します。
    また、確定申告による精算に関する情報は、随時国税庁ホームページにて更新を行っていきます。
    (注)特別農業所得者(農業所得の金額に係る一定の要件を満たすものとして申告等をしている方)については、第2期分予定納税額(11月)となります。

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営業時間 : 9:30〜18:00《土日祝休日》

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

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