法人カードを導入するべきか

会社設立後は、日々の経費精算や現金管理、領収書整理など、経理業務の負担が想像以上に大きくなります。法人カードを導入すると、支払いの一元管理や明細確認がしやすくなり、経理の効率化に役立つ場合があります。本記事では、法人カード導入のメリットと注意点をわかりやすく解説します。

法人カード導入のメリット
①現金出納業務の合理化
  • 法人カードを導入すると、交通費、備品購入費、接待交際費などの支払いをカード決済に集約しやすくなり、現金の受け渡しや仮払いの手間を減らせます。
  • 会社設立直後は経理体制が整っていないことも多く、現金出納帳の記入や小口現金の管理が負担になりがちです。カード利用により管理方法を簡素化できます。
  • 現金精算が多い会社では、領収書の回収漏れや精算遅れが起こりやすくなります。法人カードを活用すると、利用明細を確認しながら経費処理を進めやすくなります。

▼税理士のアドバイス
現金出納業務を減らすことは、経理の効率化だけでなく、ミスや不明金の予防にもつながります。ただし、法人カードを導入する際は、利用できる経費の範囲、承認ルール、領収書の保存方法を社内で明確にしておくことが大切です。

②個々の内容が容易に把握できる

  • 法人カードの利用明細には、利用日、利用先、金額などが記録されるため、誰がどのような経費を使ったのかを確認しやすくなります。
  • 経費精算システムや会計ソフトと連携できるサービスもあり、カード利用明細を経理処理に活用することで、入力作業や確認作業の削減が期待できます。
  • 個人の立替精算では内容確認に時間がかかることがありますが、法人カードを利用すれば、明細データをもとに経費の発生状況を一覧で把握しやすくなります。

▼税理士のアドバイス
利用明細だけでは経費の内容が十分に判断できない場合もあります。会議費、接待交際費、消耗品費などは、利用目的や参加者、業務との関連性を記録しておくと、決算申告や税務調査の際にも説明しやすくなります。

③資金繰りにプラスになる

  • 法人カードは、利用日から実際の引き落とし日まで一定の期間があるため、支払いのタイミングを調整しやすく、短期的な資金繰りに役立つ場合があります。
  • 会社設立直後は、売上入金と仕入れ・経費支払いのタイミングがずれやすく、資金繰りが不安定になりがちです。カード払いにより支払予定を把握しやすくなります。
  • 毎月のカード引き落とし額を確認することで、固定的な経費や変動費の傾向を把握しやすくなり、月次決算や資金繰り表の作成にも活用できます。

▼税理士のアドバイス
法人カードは便利ですが、支払いを先送りできることと、資金に余裕があることは別です。引き落とし日に資金不足が起こらないよう、月次報告や資金繰り表で支払予定を管理し、必要に応じて融資・資金調達も検討することが重要です。

④不正防止に効果がある
  • 法人カードを利用すると、利用履歴がデータとして残るため、現金精算に比べて経費の流れを追跡しやすくなります。経費処理の透明性を高める効果があります。
  • カードごとに利用者や限度額を設定できる場合があり、部署や役職に応じた利用ルールを整えることで、過度な支出や私的利用の抑制につながります。
  • 経費精算システムと連携することで、利用日、金額、支払先の相違を防ぎやすくなるサービスもあります。経理処理のガバナンス強化に役立つ場合があります。

▼税理士のアドバイス
不正防止のためには、カードを持たせるだけでなく、承認フロー、利用限度額、禁止される支出、領収書提出期限を明文化することが大切です。社内規程を整え、定期的に利用状況を確認することで、税務リスクの予防にもつながります。

⑤付帯サービスを利用できる

  • 法人カードには、ポイント還元、出張時の保険、空港ラウンジ、ETCカード、明細管理サービスなど、事業活動に役立つ付帯サービスが用意されている場合があります。
  • 出張や移動が多い会社では、交通費や宿泊費を法人カードで支払うことで、経費精算をまとめやすくなります。利用明細を確認しながら経理処理を進められます。
  • 付帯サービスの内容はカード会社や契約プランによって異なります。年会費や利用限度額だけでなく、自社の業務に合うサービスかを比較することが重要です。

▼税理士のアドバイス
ポイントや付帯サービスは魅力ですが、経費処理では会社の収入や雑収入等として整理が必要になる場合があります。ポイントの利用方法や会計処理は状況により異なるため、顧問税理士と確認しながら運用ルールを決めると安心です。

法人カード導入のデメリット

①経費の増加

  • 法人カードを導入すると、支払いが手軽になる反面、必要性の低い支出が増える可能性があります。カード利用前に、業務上必要な経費か確認する習慣が大切です。
  • 年会費、追加カード発行手数料、サービス利用料などが発生する場合があります。導入前に、経理効率化による効果とコストを比較して判断する必要があります。
  • 利用限度額が高いカードを無計画に使うと、翌月以降の支払い負担が大きくなる場合があります。経費削減の観点からも、利用状況の定期的な見直しが必要です。

▼税理士のアドバイス
法人カードは経理効率化に役立ちますが、経費管理が甘くなると利益を圧迫する原因になります。月次決算でカード利用額を確認し、予算との差額を把握することで、無駄な支出の早期発見や資金繰り改善につなげられます。

②二重精算の発生

  • 法人カードで支払った経費を、従業員が誤って立替精算として申請してしまうと、同じ経費を二重に処理してしまう可能性があります。
  • 二重精算を防ぐためには、法人カード利用分と個人立替分を明確に分け、経費精算申請時に支払方法を確認できる仕組みを整えることが重要です。
  • 経費精算システムにカード明細を自動連携できる場合、手入力の手間や金額・支払先の相違を減らしやすくなります。導入時には連携範囲の確認が必要です。

▼税理士のアドバイス
二重精算は、経費の過大計上や従業員への過払いにつながるため注意が必要です。カード利用明細、領収書、経費申請データを照合する運用を決め、記帳代行や会計ソフト導入支援を活用することも有効です。

最近の法人カードのサービス
  • 最近は、クラウド型の法人カードや経費精算システムとの連携サービスが増えており、利用明細を自動で取り込み、経費申請や承認に活用できるものがあります。
  • バーチャルカードや従業員ごとの利用上限設定に対応するサービスもあり、オンライン決済や部署別の経費管理をしやすくする機能が提供される場合があります。
  • 会計ソフトと連携できる法人カードでは、明細データや仕訳データを取り込める場合があります。自計化支援や月次決算のスピード向上にも役立つことがあります。

▼税理士のアドバイス
新しい法人カードサービスを選ぶ際は、年会費やポイントだけでなく、会計ソフトとの相性、承認フロー、明細取得のタイミング、電子帳簿保存法への対応状況なども確認が必要です。経理体制に合う仕組みを選びましょう。

その他ポイント
  • 法人カードを導入する際は、カードを持つ人、利用できる経費、承認者、領収書の提出方法を事前に決めておくことが重要です。
  • 会社設立直後に法人カードを申し込む場合、審査で事業実態や代表者の信用状況、口座情報などが確認されることがあります。必要書類は事前に整理しておきましょう。
  • 法人カードの明細は便利ですが、税務上は領収書や請求書などの保存が必要となる場合があります。消費税の仕入税額控除にも関係するため、保存方法の確認が大切です。

▼税理士のアドバイス
法人カードは、会社設立後の経理を効率化する有効な手段ですが、導入前のルールづくりが欠かせません。顧問税理士に相談しながら、記帳代行、給与計算、月次決算、決算申告まで見据えた経理体制を整えることをおすすめします。

■参考書籍■
【独立希望者必見】面白いほど理解できる(税理士が教える)起業・会社経営Q&A
酒井敏行/松本有史/箕輪俊之/岩木功 箸
TAC株式会社出版事業部 発行

当事務所では、会計ソフトの導入支援を行っています。
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定額減税と確定申告

令和6年度税制改正に伴い、令和6年分所得税について定額による所得税額の特別控除(定額減税)が実施されることとなりました。
定額減税の概要は以下のとおりです。
詳しくは、国税庁の定額減税についてのページをご覧ください。

  • 定額減税の対象となる方
    定額減税の対象者は、令和6年分所得税の納税者である居住者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下である方(給与収入のみの方の場合、給与収入が2,000万円以下(注)である方)です。
    (注) 子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用を受ける方は、2,015万円以下となります。
  • 定額減税額(令和6年分特別税額控除の額)
    特別控除の額は、次の金額の合計額です。
    ただし、その合計額がその人の所得税額を超える場合には、控除される金額は、その所得税額が限度となります。
 所得税個人住民税
本人分3万円1万円
同一生計配偶者又は扶養親族1人につき3万円1人につき1万円

詳しくは、国税庁の定額減税と確定申告ページをご覧ください。

●定額減税の実施方法

特別控除は、所得の種類によって、次の方法により実施されます。

  1. 給与所得者に係る特別控除
    令和6年6月1日以後最初に支払われる給与等(賞与を含むものとし、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している勤務先から支払われる給与等に限ります。)につき源泉徴収をされるべき所得税及び復興特別所得税(以下「所得税等」といいます。)の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる給与等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
    なお、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合は、年末調整により調整することとなります。
    また、次の1~3に該当する場合などは、令和6年分の確定申告において最終的な特別控除の額を計算の上、納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することとなります。
    1. 主たる給与の支払者からの給与収入が2,000万円を超えるとき
    2. 年の途中で退職し、給与等に係る源泉徴収について特別控除の額の控除が行われていない(又は控除しきれない額がある)とき
    3. 年末調整において、所得税額から特別控除の額を控除した際、控除しきれない額が生じる場合(特別控除の額が所得税額を上回る場合)において、次に該当するとき
      • 給与所得以外の所得があるとき
      • 退職所得に係る源泉徴収税額があるとき
      • 2か所以上から給与の支払を受けているとき
  2. 公的年金等の受給者に係る特別控除
    令和6年6月1日以後最初に厚生労働大臣等から支払われる公的年金等(確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける年金等を除きます。)につき源泉徴収をされるべき所得税等の額から特別控除の額に相当する金額が控除されます。これにより控除をしてもなお控除しきれない部分の金額は、以後、令和6年中に支払われる公的年金等につき源泉徴収されるべき所得税等の額から順次控除されます。
    なお、「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」に記載した事項の異動等により、特別控除の額が異動する場合(例えば、令和6年中に扶養親族の人数が増加した場合など)は、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)において、最終的な特別控除の額を計算の上、納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することとなります。
    ※給与と公的年金等に係る両方の所得を有する方は、還付申告となる場合や年金所得者に係る申告不要制度(注)の適用がある場合で確定申告をしないときを除き、確定申告において、所得税額から最終的な特別控除の額や源泉徴収税額等を差し引いて納付すべき又は還付される所得税の金額を精算することになります。
    (注)年金所得者の申告不要制度…次のいずれにも該当する場合に、計算の結果、納税額がある場合でも、所得税等の確定申告は必要ありません。(注1・2)
    1. 公的年金等の収入金額が400万円以下(注3・4)
    2. 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下
      (注1)所得税等の確定申告が必要ない場合でも、住民税の申告が必要な場合があります。詳しくは、お住まいの市区町村の窓口にお尋ねください。

      (注2)所得税等の確定申告が必要ない場合でも、一定の要件に該当する場合には、還付を受けるための申告(還付申告)を行うことで税金が還付されます。

      (注3)源泉徴収を要しない公的年金等の規定(所得税法第203条の7)の適用を受けるものを除きます。

      (注4)一定の外国年金が国外で支払われる場合などには、源泉徴収の対象となりません。

  3. 事業所得者等に係る特別控除
    原則として、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)の際に所得税の額から特別控除の額が控除されます。
    予定納税の対象となる方については、確定申告での控除を待たずに、令和6年6月以後に通知される、令和6年分の所得税に係る第1期分予定納税額(7月)(注)から本人分に係る特別控除の額に相当する金額が控除されます。
    なお、同一生計配偶者または扶養親族に係る特別控除の額に相当する金額については、予定納税額の減額申請の手続により特別控除の額を控除することができ、第1期分予定納税額から控除しきれなかった場合には、控除しきれない部分の金額を第2期分予定納税額(11月)から控除します。
    また、確定申告による精算に関する情報は、随時国税庁ホームページにて更新を行っていきます。
    (注)特別農業所得者(農業所得の金額に係る一定の要件を満たすものとして申告等をしている方)については、第2期分予定納税額(11月)となります。

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吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

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