試算表の付け方

総勘定元帳の締め切 り作業が終わったら、いよいよ試算表作成の作業にとりかかりましょう。試算表の作成作業は、今までの帳簿付けの結果を取り纏める作業であるといっても過言ではありません。言うなれば帳簿付けの締めの作業です。
試算表は、総勘定元帳の残高を一覧にした表です。試算表のフォームは、真ん中の列に勘定科目を、その左側の列に借方の差引残高を右側の列に貸方の差引残高を記入するようになっています。試算表は各勘定科目の残高が一覧となっているので、

  • 現金や普通預金の残高がいくらあるのか
  • 資本金や借入金の残高はどのくらいか
  • 売上はいくらあがっているのか
  • 仕入や交通費などの費用はいくらかかっているのか

などの情報を簡単に読み取ることができます。これらの情報は、会社経営をするのに不可欠なことばかりです。試算表は、経営情報の宝庫であるといっても良いでしょう。
試算表の作成は、総勘定元帳から差引残高を転記するだけなので、難しい作業ではありません。仕訳伝票から総勘定元帳を作成するのと同様にとても簡単な作業です。
それでは実際に現金と資本金の総勘定元帳の数字を試算表に転記してみましょう。まずは現金勘定の総勘定元帳を見てください。差引残高は借方で48,120円となっています。試算表の現金勘定の左側(借方)の金額欄に48,120円と記入します。次に資本金勘定の総勘定元帳を見てください。差引残高は貸方で200,000円となっています。試算表の資本金勘定の右側(貸方)の金額欄に200,000円と記入します。

総勘定元帳(現金勘定)

日付相手勘定摘要借方金額貸方金額貸・借差引金額
R3.3.16普通預金普通預金から現金引き出し50,000 50,000
R3.3.29交通費電車賃 38049,620
R3.3.29新聞図書費書店で書籍購入 1,50048,120
  次月繰越 48,120  
   50,00050,000  
  前月繰越48,120 48,120
       
       

総勘定元帳(資本金勘定)

日付相手勘定摘要借方金額貸方金額貸・借差引金額
R3.3.16普通預金資本金預け入れ 200,000200,000
R3.3.30 次月繰越200,000   
   200,000200,000  
  前月繰越 200,00049,620
       
       

試算表

借方金額勘定科目貸方金額
48,120現金 
350,000普通預金 
0売掛金 
 買掛金0
 資本金200,000
 売上金500,000
300,000仕入高 

380

交通費 
1,500新聞図書費 
700,000合計金額700,000

※現金勘定の残高は借方なので、試算表の借方金額の欄に記入する。
※資本金勘定の残高は貸方なので、試算表の貸方金額の欄に記入する。

この要領で全ての勘定科目の金額を転記します。なお勘定科目は、資産負債→資本収益費用の順番で記載するルールになっていますので覚えておきましょう。
金額の転記が終わったら、借方欄、貸方欄の金額を合計します。合計金額は必ず一致します。もし一致しなかったら、総勘定元帳の作成や試算表への転記作業のどこかにミスがあるはずです。もう一度見直しをして、どこにミスがあるのか探してください。

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改正電子帳簿保存法は2022年1月に施行

電子帳簿保存法とは、国税に関する帳簿や書類(国税関連帳簿書類)を電磁的記録(電子データ)等により、保存する時の方法について定めた法律です。

令和3年度税制改正では、電子帳簿保存法の大幅見直しが行われました。
事前申請の廃止やタイムスタンプ要件の見直し等の要件緩和が実施されるだけでなく、令和4年1月1日以後、電子取引は電子による保存が義務化となりました。これは、事業規模に係わらず企業・個人事業主が対象となります。
対応すべき範囲は想像以上に広く、早急な対策が必要です。

2021年12月10日、令和4年度税制改正大綱において、2022年1月1日に施行される改正電子帳簿保存法で「電子取引の取引情報に係る電磁的記録(PDFファイル等)」の出力書面による保存が認められないこととなっていた取り扱いを緩和する方針が示されました。
2023年(令和5年)12月31日までの2年間は、一定の要件下で引き続き電子取引を紙で保存することができるように経過措置を講ずるとのことです。
なお、一定の要件下とは、
  • 当該電子取引の取引情報を、電子帳簿保存法第7条が定める保存要件に従って保存をすることができなかったことについて、やむを得ない事情があると認められること
    そして
  • 出力書面によって適切に保存していること(質問検査権に基づく書面の提示または提出の求めに応じられるようにしていること)
とされています。

参考:起業したらまっさきに読む経理の本(笠原清明著)
   株式会社インプレスコミュニケーションズ

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