貸借対照表と損益計算書の付け方②

【事例】
現金20 万円を出資して会社を設立しました。10 万円で商品を仕入れたところ、すぐに40万円で売却できました。

事例に基づき利益の計算をしてみましょう。
10万円で仕入れた商品が、40万円で売れたのですから、40万円から10万円を差し引いた30万円が利益の金額となります。ほとんどの方はこの方法で利益を計算したと思います。
それでは損益計算書の利益計算を行ってみましょう。貸借対照表より先に損益計算書の利益計算を行うのは、損益計算書の利益計算の考え方の方が簡単に理解できるからです。
売上(収益)から仕入や交通費などの費用を差し引いて利益を計算する、これが損益計算書における利益計算の方法です。損益計算書の利益計算の方法を算式で表すと、収益-費用=利益となります。損益計算書では、この数式を収益=費用+利益と置き換え、左側に費用と利益の金額、右側に収益の金額を記入する形式で表示します。

損益計算書

費用 収益
利益

損益計算書

費用 10万円収益 40万円
利益 30万円

次に貸借対照表の利益計算を行ってみましょう。貸借対照表では財産の状況から利益を計算します。

  • 商売をして儲かると財産は増える
  • 商売をして損をすると財産は減る

貸借対照表の利益計算の仕組みは、この考え方に注目して利益を計算する方法なので、事例の現金の動きを確認しておきましょう。

  1. 会社設立で出資金が入金
    現金20万円入金
  2. 商品購入で仕入代金支払
    現金で10万円出金
  3. 商品を売上げ売上代金入金
    現金で40万円入金

株主の出資金が、商品の売買(商売)をしたことで、20万円から50万円に増えました。増えた30万円が利益ということになります。貸借対照表では金庫のお金(資産)から株主からの出資金(資本)を差し引いて商売であげた利益を計算します。
貸借対照表の利益計算の方法を算式で表すと資産ー負債ー資本=利益となります。貸催対照表では、この数式を資産=負債+資本+利益と置き換えて、左に資産、右側に負債、資本、利益の金額を記入する形式で表示します。

貸借対照表

資産負債
資本金
利益

貸借対照表

資産 50万円負債 0円
資本金 20万円
利益 30万円

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改正電子帳簿保存法は2022年1月に施行

電子帳簿保存法とは、国税に関する帳簿や書類(国税関連帳簿書類)を電磁的記録(電子データ)等により、保存する時の方法について定めた法律です。

令和3年度税制改正では、電子帳簿保存法の大幅見直しが行われました。
事前申請の廃止やタイムスタンプ要件の見直し等の要件緩和が実施されるだけでなく、令和4年1月1日以後、電子取引は電子による保存が義務化となりました。これは、事業規模に係わらず企業・個人事業主が対象となります。
対応すべき範囲は想像以上に広く、早急な対策が必要です。

2021年12月10日、令和4年度税制改正大綱において、2022年1月1日に施行される改正電子帳簿保存法で「電子取引の取引情報に係る電磁的記録(PDFファイル等)」の出力書面による保存が認められないこととなっていた取り扱いを緩和する方針が示されました。
2023年(令和5年)12月31日までの2年間は、一定の要件下で引き続き電子取引を紙で保存することができるように経過措置を講ずるとのことです。
なお、一定の要件下とは、
  • 当該電子取引の取引情報を、電子帳簿保存法第7条が定める保存要件に従って保存をすることができなかったことについて、やむを得ない事情があると認められること
    そして
  • 出力書面によって適切に保存していること(質問検査権に基づく書面の提示または提出の求めに応じられるようにしていること)
とされています。

参考:起業したらまっさきに読む経理の本(笠原清明著)
   株式会社インプレスコミュニケーションズ

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